「◯割引き」は、日常でもよく出てくる重要な割合の考え方です。
しかし多くの小学生が、「どれを引くのか」「何倍になるのか」で混乱してしまいます。
ここでは、2つの解き方を通して、引く考え方と、まとめて考える方法の両方を身につけていきましょう。
【例題】
1000円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解答】
解法①(引く分を先に求める)
1000 × 0.2 = 200
1000 − 200 = 800
答え:800円
解法②(まとめて考える)
1000 ×(1 − 0.2)= 800
答え:800円
ポイント
「◯割引き」は、もとの量から減る分を引くという意味です。
解法①は、
「引く分(2割)→あとで引く」という考え方です。
解法②は、
「最初から残りが何倍かで考える」方法です。
つまり、2割引きは
1 − 0.2 = 0.8倍
ということになります。
増し(1より大きい)と違って、引きは1より小さくなるのがポイントです。
慣れてきたら、「0.8倍」「0.7倍」とすぐに考えられるようになると、計算が一気に速くなります。
混乱しやすいポイント
次の2つは、とてもよく似ていますが意味がまったく違います。
1000円の2割 → 200円
1000円の2割引き → 800円
この違いをしっかり区別することが大切です。
「2割」は、もとの量の一部(20%)を表しています。
つまり、1000円の2割は「もとの一部分」なので、200円になります。
一方で「2割引き」は、もとの量から2割を引くという意味です。
1000円から200円を引くので、800円になります。
よくある間違い
割引きを学んだあと、「1000円の2割=800円」としてしまう誤答がよく見られます。
これは、「2割」と「2割引き」を同じものとして考えてしまっているのが原因です。
【ポイント】
- 「◯割」=そのままの割合(減っていない)
- 「◯割引き」=もとの量から引く(1より小さくなる)
この違いを意識できるようにしましょう。
第1章 割引きの基本計算① 練習問題6題
まずは、◯割引きの基本となる計算に慣れていきましょう。
この章では、1000円などの計算しやすい数を使って、「引く分を求めて引く方法」と「まとめて倍で考える方法」の2つの解き方を確認します。
割増しと似ていますが、「足す」のではなく「引く」という点が大きな違いです。
ここでは、「◯割引き=1−割合」という形をしっかり意識しながら進めていきましょう。
問1
1000円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
1000 × 0.2 = 200
1000 − 200 = 800
【解法②】
1000 ×(1 − 0.2)= 800
問2
2000円の商品が3割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
2000 × 0.3 = 600
2000 − 600 = 1400
【解法②】
2000 ×(1 − 0.3)= 1400
問3
1500円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
1500 × 0.2 = 300
1500 − 300 = 1200
【解法②】
1500 ×(1 − 0.2)= 1200
問4
3000円の商品が3割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
3000 × 0.3 = 900
3000 − 900 = 2100
【解法②】
3000 ×(1 − 0.3)= 2100
問5
4000円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
4000 × 0.2 = 800
4000 − 800 = 3200
【解法②】
4000 ×(1 − 0.2)= 3200
問6
2500円の商品が3割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
2500 × 0.3 = 750
2500 − 750 = 1750
【解法②】
2500 ×(1 − 0.3)= 1750
割引きの基本は、「どれだけ残るか(何倍になるか)」を考えることです。
2つの解き方をどちらでも使えるようにしておくと、問題に応じて柔軟に対応できるようになります。
次は、少し計算しにくい数や、値段以外のパターンにも挑戦して、実戦的な力をつけていきましょう。
第2章 割引きの基本計算② 練習問題10題
ここからは、少しレベルを上げていきます。
1440円のように計算がやや複雑な数や、人数・長さ・重さなど、さまざまな場面の問題に取り組みます。
ただし、考え方はこれまでと同じです。
「◯割引き=1−割合」という形をしっかり意識して、何倍になっているのかを考えて式を立てましょう。
計算に時間がかかってもよいので、ミスなく正確に解くことを意識して進めていきましょう。
問1
1440円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
1440 × 0.2 = 288
1440 − 288 = 1152
【解法②】
1440 ×(1 − 0.2)= 1152
問2
1800円の商品が3割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
1800 × 0.3 = 540
1800 − 540 = 1260
【解法②】
1800 ×(1 − 0.3)= 1260
問3
960円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
960 × 0.2 = 192
960 − 192 = 768
【解法②】
960 ×(1 − 0.2)= 768
問4
1250円の商品が3割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
1250 × 0.3 = 375
1250 − 375 = 875
【解法②】
1250 ×(1 − 0.3)= 875
問5
120人のクラスが2割減りました。何人になりますか。
【解法①】
120 × 0.2 = 24
120 − 24 = 96
【解法②】
120 ×(1 − 0.2)= 96
問6
80個の商品が3割減りました。全部で何個になりますか。
【解法①】
80 × 0.3 = 24
80 − 24 = 56
【解法②】
80 ×(1 − 0.3)= 56
問7
500gの重さが2割減りました。何gになりますか。
【解法①】
500 × 0.2 = 100
500 − 100 = 400
【解法②】
500 ×(1 − 0.2)= 400
問8
900mの道のりが3割減りました。何mになりますか。
【解法①】
900 × 0.3 = 270
900 − 270 = 630
【解法②】
900 ×(1 − 0.3)= 630
問9
720円の商品が2割引きです。いくらになりますか。
【解法①】
720 × 0.2 = 144
720 − 144 = 576
【解法②】
720 ×(1 − 0.2)= 576
問10
160人の参加者が3割減りました。何人になりますか。
【解法①】
160 × 0.3 = 48
160 − 48 = 112
【解法②】
160 ×(1 − 0.3)= 112
どんな数や場面でも、「残りが何倍か」を考えられれば確実に解けます。
ここまでできれば、割引きの基本はしっかり身についています。
次は、割増しとの違いや、逆算の問題にも取り組みながら、割合の理解をさらに深めていきましょう。
逆算|◯割引きからもとの値段を求める
「◯割引き」は、これまで「引いたあとの金額」を求めてきましたが、ここでは逆に、割引後の金額からもとの値段を求める問題です。
ここで多くの小学生がつまずくのは、「どれを割ればいいのか」が分からなくなることです。
大切なのは、まず引いたあとが何倍になっているかを考えることです。
例えば2割引きなら、もとの値段の 0.8倍 になっています。
つまり、
もとの値段 × 0.8 = 割引後の値段
という関係になります。
あとはこれを逆算するだけです。
逆算については、次の記事(特に第3章)に詳しく説明しています。
逆算はいつ使う?|□倍・割合・小数で威力を発揮する理由
次の例題で理解を深めましょう。
【例題】
ある商品が2割引きされて、800円になりました。
もとの値段はいくらですか。
【解答】
[式]
もとの値段 × 0.8 = 800
もとの値段 = 800 ÷ 0.8
[答え]
1000円
【ポイント】
「◯割引き」は、まず
1 − 割合 = 残りの倍率
を考えるのが最重要です。
今回なら、
2割引き → 1 − 0.2 = 0.8倍
あとは、
もとの値段 = 割引後の値段 ÷ 倍率
で求めます。
増し(1より大きい)と違って、引きは1より小さい数で割ることになるのがポイントです。
問1
ある商品が3割引きされて、700円になりました。もとの値段はいくらですか。
【式】
もとの値段 × 0.7 = 700
もとの値段 = 700 ÷ 0.7
【答え】
1000円
問2
ある商品が2割引きされて、1440円になりました。もとの値段はいくらですか。
【式】
もとの値段 × 0.8 = 1440
もとの値段 = 1440 ÷ 0.8
【答え】
1800円
問3
ある商品が3割引きされて、910円になりました。もとの値段はいくらですか。
【式】
もとの値段 × 0.7 = 910
もとの値段 = 910 ÷ 0.7
【答え】
1300円
問4
あるクラスの人数が2割減って、96人になりました。もとの人数は何人ですか。
【式】
もとの人数 × 0.8 = 96
もとの人数 = 96 ÷ 0.8
【答え】
120人
問5
ある商品の重さが3割減って、560gになりました。もとの重さは何gですか。
【式】
もとの重さ × 0.7 = 560
もとの重さ = 560 ÷ 0.7
【答え】
800g
問6
ある長さが2割減って、720cmになりました。もとの長さは何cmですか。
【式】
もとの長さ × 0.8 = 720
もとの長さ = 720 ÷ 0.8
【答え】
900cm
ここまでで、◯割引きの基本的な考え方を学んできました。
大切なのは、「どれだけ減るか」ではなく、「どれだけ残るか」を考えることです。
◯割引きは、1 − 割合(残りの倍率)で考えると、すべての問題が同じ形で解けるようになります。
また、「◯割」と「◯割引き」の違いをしっかり区別することも重要です。
ここがあいまいだと、計算ミスの原因になります。
最初は時間がかかっても大丈夫です。
正しい考え方で解くことを意識して、少しずつ慣れていきましょう。
この考え方は、割増しや逆算、さらには中学の方程式にもつながる重要な土台になります

コメント