「うちの子、本をまったく読まないんです。」
塾や学校でも、そんな悩みを耳にする機会が増えました。
私たちが子どもの頃は、「漫画ばかり読んでいないで、本も読みなさい。」と親に言われたものです。
しかし、今は時代が変わりました。
スマートフォンや動画配信サービス、SNS、ゲームなど、子どもたちの周りには本よりも手軽で刺激の強い娯楽があふれています。そのため、漫画さえほとんど読まないという子も珍しくありません。
こうした時代だからこそ、「何を読ませるか」以上に、「どんな順番で読ませるか」が大切になっています。
親としては、「せっかく読むなら、夏目漱石や芥川龍之介などの名作を読んでほしい。」と思うものです。
もちろん、その考えは間違っていません。
時代を超えて読み継がれてきた文学作品には、人の心を深く描いた普遍的な価値があり、高校入試や大学受験でもたびたび取り上げられます。
しかし、多くの中学生にとって、いきなり名作から読書を始めるのはハードルが高いのも事実です。
英語や数学が基礎から少しずつレベルアップしていくように、読書にもロードマップがあります。
まずは短編の読みやすい作品で「最後まで読めた」という成功体験を積み重ねること。
次に長編へ挑戦し、読書の楽しさを知ること。
そして、読書が好きになったら文学作品へと世界を広げていくこと。
この順番を意識するだけで、お子さんが本と出会う可能性は大きく変わります。
この記事では、単におすすめの小説を紹介するのではなく、お子さんの読書レベルに合わせて本を選ぶための「読書ロードマップ」をご紹介します。
「どの本が名作か」ではなく、「今のお子さんにとって最適な一冊は何か」。
そんな視点で、ぜひ最後までご覧ください。
第1章 なぜ小説を読むことが大切なの?
国語には、大きく分けて説明文・評論文と小説(物語文)があります。
説明文や評論文では、筆者の主張や文章の構成を論理的に読み取る力が求められます。一方、小説では、登場人物の気持ちや場面の変化、作者が言葉に込めた思いなどを読み取る力が必要になります。
もちろん、どちらも高校受験や大学受験で重要です。
ただ、説明文や評論文は、文章の読み方や解き方を学ぶことで伸ばしやすい面があります。接続語や段落構成、要点のつかみ方などを意識することで、短期間でも読解力が向上することがあります。
一方、小説を読む力は少し性質が異なります。
登場人物の表情や会話、行動から気持ちを想像したり、言葉には書かれていない心情を考えたりする力は、一冊の参考書だけで身につくものではありません。
さまざまな物語に触れ、さまざまな登場人物の気持ちを考える経験を積み重ねることで、少しずつ育っていく力です。
また、高校生になると、英語や数学、理科などの学習が忙しくなり、まとまった時間を取って小説を読む機会はどうしても少なくなります。
だからこそ、小学生や中学生のうちに読書習慣を身につけておくことには、大きな意味があります。
そして、小説を読む価値は、受験だけではありません。
自分とは異なる価値観に触れたり、まだ経験したことのない世界を知ったり、登場人物と一緒に喜びや悲しみを味わったりすることは、人としての視野を広げ、人生を豊かにしてくれます。
読書は、国語の勉強であると同時に、自分の世界を広げる学びでもあるのです。
第2章 読書レベルに合わせたロードマップ|おすすめ小説一覧
「子どもには、せっかくなら名作を読んでほしい。」
そう考える保護者の方は多いのではないでしょうか。
もちろん、その考えは間違っていません。
夏目漱石や芥川龍之介、宮沢賢治などの文学作品は、時代を超えて読み継がれ、高校入試や大学受験でも親しまれている名作です。
しかし、多くの中学生にとっては、「いつか読んでほしい作品」と「今読める作品」は必ずしも一致しません。
英語や数学でも、最初から難しい問題集に取り組まないように、読書にも段階があります。
保護者の役割は、「名作を読ませること」ではなく、お子さんが読書を好きになるように導くことです。
そこでこの記事では、次の4つのステップに分けて、おすすめの小説を紹介します。

STEP1 短編・読みやすい作品

まずは、「最後まで読めた!」という成功体験を目指しましょう。
このステップでは、読書が苦手なお子さんでも最後まで読み切りやすい作品を中心に紹介します。
「読書を好きになること」が目的なので、作品の内容だけでなく、短さや読みやすさも重視しました。
まず最初の一冊に迷ったら『ボッコちゃん』がおすすめ!
『ボッコちゃん』は、1話10分ほどで読めるショートショート(超短編小説)が数多く収録された短編集です。
物語の最後には思わず「そう来たか!」と驚くような展開が多く、「あと一話だけ読もう」と自然にページをめくりたくなります。
読書が苦手なお子さんでも、「最後まで読めた!」という成功体験を積みやすく、本記事で紹介する中でも最初の一冊として最もおすすめしたい作品です。
そのほかにも、お子さんの興味に合わせて選べる作品をまとめました。
| テーマ | 作品 | 読みやすさ |
|---|---|---|
| SF・どんでん返し | 『ボッコちゃん』 | ★★★★★ |
| SF・ユーモア | 『ようこそ地球さん』 | ★★★★★ |
| SF・皮肉 | 『悪魔のいる天国』 | ★★★★★ |
| SF・人間観察 | 『おせっかいな神々』 | ★★★★★ |
| 学校・友情 | 『逆ソクラテス』 | ★★★★★ |
| 日常・幻想 | 『カンガルー日和』 | ★★★★☆ |
| 青春・アンソロジー | 『短編少年』 | ★★★★★ |
| 青春・アンソロジー | 『短編少女』 | ★★★★★ |
▼ STEP1の作品を詳しく見る
『ボッコちゃん』〜『短編少女』
この章で紹介した作品について、「どんな内容なの?」「うちの子に合うかな?」と思った方のために、それぞれの作品の特徴を簡単にまとめました。
作品選びに迷ったら、テーマや読みやすさを参考に、お子さんにぴったりの一冊を見つけてください。
『ボッコちゃん』
作者:星新一
読みやすさ ★★★★★
テーマ
SF・どんでん返し
コメント
1話10分ほどで読めるショートショート(超短編小説)を集めた作品集です。短い物語の中に驚きの結末が詰まっており、「あと一話だけ」と自然に読み進められます。
読書が苦手なお子さんでも最後まで読み切りやすく、本記事で最初の一冊として最もおすすめしたい作品です。ショートショートの第一人者・星新一の代表作として、多くの読者に読み継がれています。
『ようこそ地球さん』
作者:星新一
読みやすさ ★★★★★
テーマ
SF・ユーモア
コメント
星新一らしいユーモアと豊かな発想を楽しめるショートショート集です。笑える話や少し不思議な話など、さまざまな作品が収録されており、飽きることなく読み進められます。
『ボッコちゃん』が面白かったお子さんなら、次にぜひ手に取ってほしい一冊です。
『悪魔のいる天国』
作者:星新一
読みやすさ ★★★★★
テーマ
SF・皮肉
コメント
人間の欲や弱さを、星新一ならではのユーモアと皮肉で描いたショートショート集です。一話ごとに「なるほど」と考えさせられる結末が待っています。
楽しみながら読解力や想像力も育てられる作品で、読書初心者でも気軽に読み始められます。
『おせっかいな神々』
作者:星新一
読みやすさ ★★★★★
テーマ
SF・人間観察
コメント
「神様がおせっかいを焼いたら?」というような、ユニークな発想から始まるショートショートを収録した作品集です。身近な出来事を少し不思議な世界へ変える星新一ならではの魅力が詰まっています。
短い作品ばかりなので、読書が苦手なお子さんでも自分のペースで読み進められるでしょう。
『逆ソクラテス』
作者:伊坂幸太郎
読みやすさ ★★★★★
テーマ
学校・友情
コメント
学校生活を舞台にした短編を収録した作品集です。子どもたちの視点から描かれる物語はテンポがよく、「思い込み」や「先入観」を覆す伊坂幸太郎らしい展開が楽しめます。
現代の中学生にも共感しやすい内容が多く、「文学作品は難しそう」と感じるお子さんにもおすすめです。
『カンガルー日和』
作者:村上春樹
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
日常・幻想
コメント
何気ない日常の中に少し不思議な出来事が入り込む、村上春樹らしい短編集です。独特の世界観がありますが、一編ずつは短く、村上春樹作品の入口として読みやすい一冊でしょう。
「普通とは少し違う物語を読んでみたい」というお子さんにもおすすめです。
『短編少年』
編者:集英社文庫編集部(人気作家によるアンソロジー)
読みやすさ ★★★★★
テーマ
青春・アンソロジー
コメント
伊坂幸太郎や朝井リョウなど、人気作家による短編を集めたアンソロジーです。一冊でさまざまな作風を楽しめるため、「どんな小説が好きか分からない」というお子さんにもぴったりです。
気に入った作家が見つかったら、その作家の長編へ進むきっかけにもなります。
『短編少女』
編者:集英社文庫編集部(人気作家によるアンソロジー)
読みやすさ ★★★★★
テーマ
青春・アンソロジー
コメント
森絵都や湊かなえなど、多彩な作家による青春短編を収録したアンソロジーです。友情や家族、学校生活など、中学生にも身近なテーマの作品が多く集められています。
さまざまな作家の世界観に触れられるため、「自分に合う作家」を探したいお子さんにもおすすめです。
どの作品から読み始めても構いません。
ただし、「有名だから」「名作だから」という理由で選ぶより、お子さん自身が「読んでみたい」と思える一冊を選ぶことが何より大切です。
そして、一冊読み終えたら、ぜひ「最後まで読めたね!」とたくさん褒めてあげてください。
その小さな成功体験が、「次の一冊も読んでみよう」という気持ちにつながり、やがて読書習慣へと育っていきます。
STEP2 短編・文学作品

STEP1で「本を読むこと」に慣れてきたら、次は文学作品にも挑戦してみましょう。
「文学作品」と聞くと、「難しそう」「昔の言葉ばかりで読みにくそう」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、文学作品の中にも、中学生が比較的読みやすい作品はたくさんあります。
短編なら長編ほどの負担がないため、文学作品デビューにぴったりです。
まず最初の一冊に迷ったら『杜子春』がおすすめ!
芥川龍之介というと、『羅生門』や『藪の中』など難しい作品を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、『杜子春』は物語としても楽しみやすく、「文学作品って意外と面白い」と感じやすい一冊です。
本記事で紹介する文学作品の中でも、最初の一冊として最もおすすめしたい作品です。
そのほかにも、お子さんの興味や読みやすさに合わせて選べる作品をまとめました。
芥川龍之介
短編小説の名手。文学作品を読むなら、まず触れておきたい作家です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『杜子春』 | 人生・成長 | ★★★★★ |
| 『トロッコ』 | 少年・成長 | ★★★★★ |
| 『蜘蛛の糸』 | 人間の欲・教訓 | ★★★★☆ |
| 『鼻』 | ユーモア・人間らしさ | ★★★★☆ |
| 『羅生門』 | 善悪・人間の本質 | ★★★☆☆ |
| 『藪の中』 | 真実・人間心理 | ★★☆☆☆ |
▼ 芥川龍之介の作品を詳しく見る
芥川龍之介は、日本を代表する短編小説の名手です。
高校入試や高校の教科書でもたびたび取り上げられるため、中学生のうちから少しずつ親しんでおきたい作家の一人です。
作品によって読みやすさが大きく異なるので、まずは読みやすい作品から挑戦してみましょう。
『杜子春』
読みやすさ ★★★★★
テーマ
人生・成長
コメント
仙人になることを夢見る青年・杜子春を主人公に、人間にとって本当に大切なものは何かを描いた作品です。物語としても面白く、最後まで飽きずに読み進められます。
芥川作品の中でも特に読みやすく、「文学作品を初めて読む一冊」として最もおすすめしたい作品です。
『トロッコ』
読みやすさ ★★★★★
テーマ
少年・成長
コメント
トロッコを押して遊ぶことに憧れる少年の姿を描いた作品です。少年時代の純粋な気持ちや、不安、成長が短い物語の中に丁寧に描かれています。
中学生にも共感しやすい内容で、教科書に掲載されることも多い芥川作品の一つです。
『蜘蛛の糸』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
人間の欲・善悪
コメント
地獄に落ちた男に一本の蜘蛛の糸が垂らされるという有名な物語です。短い作品ながら、人間の欲や自己中心的な心について深く考えさせられます。
小学生でも読まれる作品ですが、中学生になると作品に込められた意味をより深く味わえるようになります。
『鼻』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
ユーモア・人間らしさ
コメント
長い鼻に悩む僧侶を主人公に、人間の見栄や心の弱さをユーモラスに描いた作品です。思わず笑ってしまう場面もありますが、その裏には鋭い人間観察が隠されています。
「人は他人をどう見ているのか」というテーマを考えるきっかけにもなる作品です。
『羅生門』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
善悪・人間の本質
コメント
仕事を失った下人が、生きるために善悪の境界で葛藤する姿を描いた代表作です。独特の雰囲気がありますが、人間の本質を鋭く描いた名作として高く評価されています。
高校の教科書や大学入試でもよく扱われる作品です。少し難しく感じるかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。
『藪の中』
読みやすさ ★★☆☆☆
テーマ
真実・人間心理
コメント
一つの事件について、複数の人物がそれぞれ異なる証言をするという構成の作品です。「真実とは何か」を読者自身に問いかける、芥川龍之介を代表する名作の一つです。
他の作品より少し難易度は上がりますが、読み終えた後に考察したくなる奥深さがあります。芥川作品に慣れてきたら、ぜひ挑戦してみましょう。
宮沢賢治
幻想的な世界観と深いメッセージが魅力。教科書でもおなじみの名作がそろっています。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『注文の多い料理店』 | 不思議な世界・教訓 | ★★★★★ |
| 『セロ弾きのゴーシュ』 | 努力・友情 | ★★★★☆ |
| 『よだかの星』 | 命・自己犠牲 | ★★★★☆ |
| 『オツベルと象』 | 弱者・権力 | ★★★☆☆ |
| 『なめとこ山の熊』 | 自然・命 | ★★★☆☆ |
▼ 宮沢賢治の作品を詳しく見る
宮沢賢治は、日本を代表する童話・文学作家です。
自然や命、人とのつながりを美しく描いた作品が多く、短い作品でも深いテーマが込められています。高校入試でも取り上げられることがあるため、中学生のうちから少しずつ親しんでおきたい作家の一人です。
『注文の多い料理店』
読みやすさ ★★★★★
テーマ
ファンタジー・風刺
コメント
山奥で道に迷った二人の紳士が、不思議な西洋料理店に迷い込む物語です。
テンポよく読める短編で、「次はどうなるの?」と最後まで一気に読み進められます。物語を楽しみながら、人間の欲や自然への向き合い方について考えさせられる、宮沢賢治の代表作です。
『セロ弾きのゴーシュ』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
努力・成長
コメント
演奏が苦手だったゴーシュが、動物たちとの不思議な出会いを通して少しずつ成長していく物語です。
努力を積み重ねることの大切さや、人との関わりの中で成長する姿が描かれています。読みやすく、中学生にも親しみやすい一冊です。
『よだかの星』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
命・自己犠牲
コメント
みにくい姿を理由に仲間から嫌われる「よだか」の生き方を描いた感動作です。
短い作品ながら、命の尊さや優しさについて深く考えさせられます。読後も長く心に残る、宮沢賢治を代表する名作の一つです。
『オツベルと象』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
労働・支配・自由
コメント
欲深い地主・オツベルと働き者の白い象との関係を描いた寓話です。
子ども向けの物語のように読めますが、働くことや支配、自由といった社会的なテーマが込められています。高校入試でも扱われることがある作品です。
『なめとこ山の熊』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
自然・命
コメント
熊を狩る猟師・小十郎と自然との関わりを描いた作品です。
自然の厳しさや命の尊さが静かに描かれており、宮沢賢治ならではの自然観に触れることができます。少し難しさはありますが、読み応えのある短編としてぜひ挑戦してみてください。
新美南吉
短い作品の中に、やさしさや人の温かさが詰まった作家です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『ごん狐』 | 思いやり・成長 | ★★★★★ |
| 『手袋を買いに』 | 親子愛・やさしさ | ★★★★★ |
| 『狐』 | 命・人とのつながり | ★★★★☆ |
▼ 新美南吉の作品を詳しく見る
新美南吉は、日本を代表する児童文学作家です。
やさしい文章で書かれていますが、その中には思いやりや命、人を信じることの大切さなど、心に残るテーマが込められています。
教科書で読んだことがある作品も多いですが、中学生になって読み返すと、新しい発見がある作家です。
『ごん狐』
読みやすさ ★★★★★
テーマ
思いやり・成長
コメント
いたずら好きの子ぎつね・ごんと兵十との交流を描いた、新美南吉の代表作です。
短い物語ながら、相手を思いやることの大切さや、人と人が分かり合うことの難しさが丁寧に描かれています。小学校の教科書でも親しまれていますが、中学生になってから読むと、登場人物の心情をより深く味わえる名作です。
『手袋を買いに』
読みやすさ ★★★★★
テーマ
親子愛・やさしさ
コメント
寒い冬の日、子ぎつねが母ぎつねに手袋を買ってもらうため、人間の町へ向かう物語です。
やさしく温かい文章で書かれており、読書が苦手なお子さんでも最後まで読みやすい作品です。親子の絆や、人を信じることの大切さが描かれた、長く読み継がれている名作です。
『狐』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
自然・人間
コメント
人間と狐との関わりを通して、自然や命、人間の心を静かに描いた作品です。
『ごん狐』や『手袋を買いに』に比べると少し落ち着いた雰囲気ですが、新美南吉らしい繊細な表現を味わうことができます。短編なので読みやすく、「もっと新美南吉を読んでみたい」と思ったお子さんにもおすすめの一冊です。
太宰治
人間の心を鋭く描いた人気作家。『走れメロス』は中学生にもおすすめの一作です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『走れメロス』 | 友情・信頼 | ★★★★★ |
| 『畜犬談』 | ユーモア・人間らしさ | ★★★★☆ |
▼ 太宰治の作品を詳しく見る
太宰治は、人間の弱さや優しさを巧みに描いた、日本文学を代表する作家です。
「難しそう」という印象を持たれることもありますが、短編には中学生でも読みやすい作品が多くあります。
高校入試でもよく取り上げられるため、一度は読んでおきたい作家の一人です。
『走れメロス』
読みやすさ ★★★★★
テーマ
友情・信頼
コメント
親友との約束を守るため、命がけで走り続けるメロスの姿を描いた、太宰治の代表作です。
物語の展開が分かりやすく、テンポよく読み進められるため、文学作品が初めてのお子さんにもおすすめです。「友情」や「信頼」という普遍的なテーマが描かれており、高校入試でもよく出題される作品の一つです。
『畜犬談』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
ユーモア・人間らしさ
コメント
犬が苦手な「私」が、犬との不思議な縁に振り回される様子をユーモラスに描いた短編です。
太宰治というと暗い作品をイメージする人もいますが、この作品は軽快な語り口で、思わず笑ってしまう場面もあります。太宰作品の入口としても読みやすく、「太宰治って意外と面白い」と感じられる一冊です。
森鷗外
人生や人間の生き方を考えさせられる作品が多く、高校入試でも親しまれています。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『高瀬舟』 | 幸福・生き方 | ★★★☆☆ |
| 『最後の一句』 | 親子愛・信念 | ★★★☆☆ |
▼ 森鷗外の作品を詳しく見る
森鷗外は、夏目漱石と並んで近代日本文学を代表する作家です。
明治時代を舞台にした作品が多く、当時の時代背景や価値観を知ることで、より深く楽しめます。
高校入試では作品名や作者名が問われることもあるため、中学生のうちから親しんでおきたい作家の一人です。
『高瀬舟』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
命・幸福・倫理
コメント
罪人を護送する「高瀬舟」の中で交わされる会話を通して、「本当の幸せとは何か」「罪とは何か」を問いかける作品です。
文章はやや古めですが、物語の流れは比較的分かりやすく、森鷗外作品の中では読みやすい一編です。高校入試でも扱われることがあり、文学作品への入口としておすすめです。
『最後の一句』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
家族・勇気・親子愛
コメント
父の命を救うため、幼い少女が役人の前で毅然とした態度を見せる姿を描いた短編です。
短い作品ながら、家族を思う気持ちや、人としての強さが印象的に描かれています。中学生にも読みやすく、森鷗外作品を初めて読む一冊としておすすめです。
中島敦
少し難易度は上がりますが、人間の本質を描いた名作が多く、高校生になっても読み返したい作家です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『山月記』 | 自尊心・人間の弱さ | ★★☆☆☆ |
| 『名人伝』 | 努力・人生 | ★★★☆☆ |
▼ 中島敦の作品を詳しく見る
中島敦は、中国の古典をもとにした作品を多く残した近代文学の代表的な作家です。
「難しそう」という印象を持たれがちですが、物語としての面白さもあり、人間の生き方や心の葛藤を深く描いています。
高校入試や高校の教科書でもよく扱われるため、中学生のうちに一度は読んでおきたい作家です。
『名人伝』
読みやすさ ★★☆☆☆
テーマ
努力・探究
コメント
弓の名人を目指す男が、長い年月をかけて技を極めていく姿を描いた短編小説です。
物語として読みやすく、「本当の名人とは何か」という問いを通して、努力や探究心について考えさせられます。中島敦作品の中では比較的読みやすく、最初に読む一冊としておすすめです。
『山月記』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
自尊心・人間の弱さ
コメント
優秀な役人だった李徴が、虎になってしまうという幻想的な物語です。
人間の自尊心や劣等感、才能への葛藤が描かれており、中島敦を代表する名作として知られています。文章はやや難しめですが、高校の教科書にも掲載されることが多く、一度は読んでおきたい文学作品です。
まずは『名人伝』から読み、中島敦の世界観に慣れてから『山月記』へ挑戦すると、より理解しやすいでしょう。
文学作品は、すべてを読む必要はありません。
まずは読みやすさが★★★★☆以上の作品から一冊選び、「最後まで読めた」という経験を積み重ねることをおすすめします。
そして、少しずつ難易度の高い作品にも挑戦していけば、お子さんは自然と文学作品を楽しめる読書体力を身につけていけるでしょう。
STEP3 長編・読みやすい作品

ここが、読書が苦手なお子さんにとっての最初のゴールです。
ここまで到達できれば、「本を最後まで読み切る力」が身につき始めた証拠です。
高校入試でも、長めの物語文が出題されることは珍しくありません。
もちろん、「この本を読めば受験に合格できる」というわけではありませんが、このレベルの長編小説を無理なく読み切れる読書体力は、一つの目安になります。
まず最初の一冊に迷ったら『カラフル』がおすすめ!
『カラフル』は、中学生にも共感しやすい家族や学校生活をテーマにした作品で、「長編だけど読みやすい」と高く評価されている一冊です。
中学生向けのおすすめ小説として紹介されることも多く、高校入試でもたびたび題材として取り上げられています。
本記事で紹介する長編小説の中でも、最初の一冊として最もおすすめしたい作品です。
そのほかにも、お子さんの興味や好きなテーマに合わせて選べる作品をまとめました。
| テーマ | 作品 | 読みやすさ |
|---|---|---|
| まず読むなら | 『カラフル』(森絵都) | ★★★★★ |
| 友情・学校生活 | 『きみの友だち』(重松清) | ★★★★★ |
| 青春・野球 | 『バッテリー』(あさのあつこ) | ★★★★☆ |
| 心温まる物語 | 『西の魔女が死んだ』(梨木香歩) | ★★★★☆ |
| 家族・数学 | 『博士の愛した数式』(小川洋子) | ★★★★☆ |
| ファンタジー・友情 | 『かがみの孤城』(辻村深月) | ★★★★☆ |
| 冒険・ミステリー | 『都会のトム&ソーヤ』(第1巻)(はやみねかおる) | ★★★★★ |
| 青春・学校生活 | 『夜のピクニック』(恩田陸) | ★★★☆☆ |
| 人とのつながり | 『阪急電車』(有川浩) | ★★★★☆ |
| 親子・家族 | 『卵の緒』(瀬尾まいこ) | ★★★★☆ |
| 青春・恋愛 | 『君の膵臓をたべたい』(住野よる) | ★★★★★ |
| 成長・友情 | 『また、同じ夢を見ていた』(住野よる) | ★★★★★ |
▼ STEP3の作品を詳しく見る①
(『カラフル』〜『かがみの孤城』)
ここでは、STEP3で紹介した長編小説の特徴を簡単に紹介します。
どの作品にも魅力がありますが、お子さんとの相性はそれぞれです。「これなら読めそう!」と思える一冊を見つける参考にしてください。
『カラフル』
作者:森絵都
読みやすさ ★★★★★
テーマ
家族・命・成長
コメント
中学生の主人公が、家族や学校生活の中で少しずつ成長していく姿を描いた感動作です。文章が読みやすく、重いテーマを扱いながらもテンポよく物語が進むため、長編小説が初めてのお子さんでも最後まで読み切りやすいでしょう。
中学生向けのおすすめ小説として紹介されることが多く、高校入試でもたびたび取り上げられる人気作品です。本記事では、STEP3で最初に読んでほしい一冊としておすすめします。
『きみの友だち』
作者:重松清
読みやすさ ★★★★★
テーマ
友情・学校生活
コメント
友だちとの距離感や悩み、学校生活の中で揺れ動く気持ちを丁寧に描いた作品です。登場人物の多くが中学生世代なので、自分と重ね合わせながら読むことができます。
友情をテーマにした作品を探しているお子さんにおすすめです。重松清は高校入試でもよく扱われる作家として知られています。
『バッテリー』
作者:あさのあつこ
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
青春・野球
コメント
野球を通して成長する少年たちの姿を描いた青春小説です。スポーツ小説ですが、野球だけでなく、友情や家族との関係、思春期の葛藤も丁寧に描かれています。
野球が好きなお子さんはもちろん、部活動に打ち込んでいる中学生にも共感しやすい一冊です。シリーズ作品なので、気に入れば続巻も楽しめます。
『西の魔女が死んだ』
作者:梨木香歩
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
家族・成長
コメント
学校へ行けなくなった少女と祖母との交流を描いた心温まる物語です。派手な展開ではありませんが、ゆったりとした物語の中で、人生を前向きに生きるヒントがたくさん詰まっています。
読後には優しい気持ちになれる作品として、多くの読者に愛され続けています。入試でも取り上げられることのある人気作品です。
『博士の愛した数式』
作者:小川洋子
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
家族・数学
コメント
交通事故の後遺症で記憶が80分しか続かない数学者と、家政婦親子との交流を描いた感動作です。数学の話が登場しますが、専門知識がなくても十分楽しめます。
数字を通して人と人とのつながりが描かれており、数学が好きなお子さんにもぜひ読んでほしい一冊です。
『かがみの孤城』
作者:辻村深月
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
ファンタジー・友情
コメント
学校へ行けなくなった中学生たちが、不思議な城で出会い、それぞれの悩みと向き合っていく物語です。ファンタジー要素がありながら、学校生活や人間関係など現代の中学生にも身近なテーマが描かれています。
ページ数はやや多めですが、「続きが気になって一気に読んだ」という読者も多い人気作です。読書に少し慣れてきたお子さんが、長編小説に挑戦する一冊としておすすめします。
▼ STEP3の作品を詳しく見る②
『都会のトム&ソーヤ』〜『また、同じ夢を見ていた』
こちらでは、STEP3の後半で紹介した作品をまとめています。
前半とあわせて、お子さんが「読んでみたい!」と思える一冊を見つけてみてください。
『都会のトム&ソーヤ』(第1巻)
作者:はやみねかおる
読みやすさ ★★★★★
テーマ
冒険・ミステリー
コメント
ごく普通の中学生・内人と、大企業の御曹司・創也が、さまざまな謎や冒険に挑む人気シリーズの第1巻です。テンポよく物語が進むため、「続きが気になる」と自然にページをめくりたくなります。
シリーズ作品なので、一冊読み終えた後も次々と読み進められるのが大きな魅力です。読書習慣を身につけたいお子さんにもおすすめします。
『夜のピクニック』
作者:恩田陸
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
青春・学校生活
コメント
高校最後の学校行事「歩行祭」を舞台にした青春小説です。一晩中歩き続ける中で、友人との関係や自分自身と向き合っていく姿が丁寧に描かれています。
大きな事件が起こる作品ではありませんが、読み終えた後に心が温かくなる名作です。高校入試や読書感想文でも人気の高い作品として知られています。
『阪急電車』
作者:有川浩
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
人とのつながり
コメント
阪急電車を舞台に、さまざまな人々の人生が少しずつ交差していく連作小説です。一話ごとに主人公が変わるため、長編でありながら短編集のような感覚でも楽しめます。
人との出会いや優しさが描かれた温かい作品で、「読書をすると優しい気持ちになれる」と感じさせてくれる一冊です。
『卵の緒』
作者:瀬尾まいこ
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
親子・家族
コメント
家族とは何か、本当の親子とは何かを優しく描いた作品です。重いテーマを扱いながらも、温かな文章で書かれているため、中学生でも読みやすいでしょう。
瀬尾まいこ作品らしい穏やかな雰囲気が魅力で、家族について改めて考えさせられる一冊です。
『君の膵臓をたべたい』
作者:住野よる
読みやすさ ★★★★★
テーマ
青春・恋愛
コメント
正反対の性格を持つ高校生二人の交流を描いた青春小説です。タイトルからは想像できない、温かく切ない物語が多くの読者の心をつかみました。
映画化もされた人気作品で、普段あまり本を読まない若い世代にも広く読まれています。恋愛だけでなく、「生きること」を考えさせてくれる一冊です。
『また、同じ夢を見ていた』
作者:住野よる
読みやすさ ★★★★★
テーマ
成長・友情
コメント
少し大人びた考え方をする小学生の主人公が、さまざまな年代の人たちとの出会いを通して、「幸せとは何か」を考えていく物語です。優しい文章で書かれており、最後には心が温かくなる展開が待っています。
住野よる作品の中でも比較的読みやすく、読書に慣れてきたお子さんが次の一冊として選ぶのにもおすすめです。
どの作品から読み始めても構いません。
ただし、「有名だから」という理由で選ぶより、お子さん自身が「読んでみたい」と思える一冊を選ぶことが何より大切です。
そして、この章で紹介した作品を最後まで読み切ることができたら、ぜひお子さんをたくさん褒めてあげてください。
一冊の長編を読み切った経験は、「自分にも読めた」という大きな自信になります。
その成功体験が、「次の一冊も読んでみよう」という気持ちにつながり、やがて文学作品にも挑戦できる読書体力へと育っていくでしょう。
STEP4 長編・文学作品

読書が好きになったら、ぜひ挑戦してほしいステップです。
ここで紹介する作品は、長い年月を経ても読み継がれ、高校入試や大学受験でも親しまれている文学作品です。
文章や時代背景は少し難しくなりますが、その分、人間の心や生き方を深く考えさせてくれる作品ばかりです。
作品選びに迷ったら、テーマや読みやすさを参考に選んでみてください。
夏目漱石
近代日本文学を代表する文豪。「いつかは読んでほしい」と言われる名作が数多くあります。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『坊っちゃん』 | 正義・青春 | ★★★★☆ |
| 『三四郎』 | 青春・恋愛・成長 | ★★★☆☆ |
| 『こころ』 | 人間関係・友情・孤独 | ★★☆☆☆ |
| 『吾輩は猫である』 | ユーモア・人間観察 | ★★☆☆☆ |
▼ 夏目漱石の作品を詳しく見る
夏目漱石は、日本近代文学を代表する作家です。
現在でも高校入試や高校の教科書で取り上げられることが多く、日本文学を語るうえで欠かせない存在です。
作品によって読みやすさが異なるため、まずは読みやすい作品から挑戦し、少しずつ漱石の世界を楽しんでいきましょう。
『坊っちゃん』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
正義・成長
コメント
正義感の強い青年教師「坊っちゃん」が、赴任先の中学校でさまざまな騒動に巻き込まれる物語です。
ユーモアたっぷりの文章でテンポよく読み進められ、夏目漱石作品の中では最も読みやすい長編小説の一つです。登場人物の個性も豊かで、「名作は難しい」というイメージを変えてくれるでしょう。
『三四郎』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
青春・成長
コメント
大学進学のために上京した青年・三四郎が、さまざまな人との出会いを通して成長していく青春小説です。
恋愛や友情、将来への迷いなど、若者ならではの悩みが描かれており、漱石作品の中では比較的読みやすい一冊です。近代文学の入口としてもおすすめです。
『こころ』
読みやすさ ★★☆☆☆
テーマ
人間関係・孤独
コメント
「先生」と「私」の交流を通して、人間の心の奥深さや孤独、罪の意識を描いた夏目漱石の代表作です。
高校の教科書にも掲載されることが多く、日本文学を代表する名作として読み継がれています。文章量はやや多く、テーマも深いため、STEP4のゴールとしてぜひ挑戦してほしい一冊です。
『吾輩は猫である』
読みやすさ ★★☆☆☆
テーマ
風刺・人間観察
コメント
名前のない一匹の猫の視点から、人間社会をユーモラスに描いた長編小説です。
冒頭の「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」は日本文学を代表する一節として知られています。少し古い表現もありますが、猫の軽妙な語り口のおかげで、楽しみながら近代文学に触れることができます。人間の本質を鋭く描いた、夏目漱石ならではの代表作です。
太宰治
人間の弱さや葛藤を描いた人気作家。高校生以降にもぜひ読み続けてほしい作家です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『人間失格』 | 孤独・自己理解 | ★★☆☆☆ |
| 『斜陽』 | 家族・時代の変化 | ★★☆☆☆ |
| 『女生徒』 | 思春期・心情 | ★★★☆☆ |
▼ 太宰治の作品を詳しく見る
太宰治は、人間の弱さや孤独、葛藤を繊細に描いた、日本近代文学を代表する作家です。
高校入試や高校の教科書でも作品が取り上げられることが多く、その独特の文章や心理描写は、今も多くの読者を魅了しています。
STEP4では、太宰治を代表する長めの作品を紹介します。
『人間失格』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
孤独・自己探求
コメント
「人間として生きること」に苦しみ続けた主人公・葉蔵の人生を描いた、太宰治の代表作です。
人間の弱さや孤独、他人との距離感など、普遍的なテーマが繊細な文章で描かれています。内容はやや重く、中学生には難しく感じる部分もありますが、日本文学を代表する名作として、一度は読んでおきたい作品です。
『斜陽』
読みやすさ ★★★☆☆
テーマ
家族・時代の変化
コメント
戦後の没落していく華族の一家を通して、時代の変化と人々の生き方を描いた長編小説です。
登場人物それぞれの葛藤や価値観が丁寧に描かれており、「斜陽族」という言葉の由来にもなった作品として知られています。戦後の日本を知るきっかけにもなる一冊です。
『女生徒』
読みやすさ ★★★★☆
テーマ
青春・心情
コメント
一人の少女の一日を通して、思春期ならではの揺れ動く心を描いた作品です。
太宰治作品の中では比較的読みやすく、中学生にも共感しやすい内容となっています。繊細な心理描写が魅力で、「人間失格」や「斜陽」よりも気軽に太宰治の世界に触れられる一冊としておすすめです。
森鷗外
知性と人間性を深く描いた作品が多く、近代文学を代表する作家です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『舞姫』 | 恋愛・人生の選択 | ★★★☆☆ |
| 『雁』 | 恋愛・人間関係 | ★★☆☆☆ |
島崎藤村
近代文学を語るうえで欠かせない作家。人間の成長や葛藤を描いた作品が多くあります。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『破戒』 | 差別・人間の尊厳 | ★★☆☆☆ |
| 『春』 | 青春・成長 | ★★☆☆☆ |
志賀直哉
「小説の神様」と称される作家。人間を丁寧に描く文章が魅力です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『暗夜行路』 | 人生・自己探求 | ★☆☆☆☆ |
川端康成
日本人初のノーベル文学賞受賞作家。美しい日本語表現も魅力です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『伊豆の踊子』 | 青春・旅・恋 | ★★★☆☆ |
| 『雪国』 | 恋愛・美・人生 | ★★☆☆☆ |
有島武郎
人間の生き方や家族を描いた作品で知られる作家です。
| 作品 | テーマ | 読みやすさ |
|---|---|---|
| 『カインの末裔』 | 人生・運命 | ★★☆☆☆ |
ここまで読めるようになれば、お子さんは「本を読まされる子」ではなく、「自分で本を選んで読める子」へと大きく成長しています。
保護者が細かく本を選んであげる役割は、ここでひとまず卒業です。
あとは、お子さん自身が興味を持った作家や作品へと読書の世界を広げていけるでしょう。
高校受験を考えるなら、まずはSTEP3を目指そう
高校入試の国語では、説明文だけでなく、長めの物語文が出題されることも少なくありません。
そのため、『カラフル』のような読みやすい長編小説を最後まで読み切れる読書体力は、一つの目安になります。
もちろん、「この本を読めば高校受験に合格できる」というわけではありません。
しかし、一冊の長編を読み切る経験は、
- 登場人物を整理しながら読む力
- 場面の変化を追う力
- 心情の変化を読み取る力
- 集中して文章を読み続ける力
など、国語の読解力の土台を育ててくれます。
そのため、読書が苦手なお子さんなら、まずはSTEP3の「長編・読みやすい作品」を最後まで読み切ることを最初の目標にしてみてください。
そして、その先にあるSTEP4の文学作品を楽しめるようになれば、保護者が「次は何を読ませよう」と悩む段階は、一つ卒業です。
あとは、お子さん自身が興味を持った作家や作品を見つけ、読書の世界を広げていけるでしょう。
この記事は、「どの作品が一番優れているか」をランキングするものではありません。
「今のお子さんには、どの本が最も読み切りやすいか」という視点で、本選びをサポートするための読書ガイドです。
ぜひ、お子さんの現在地に合ったステップから始めてみてください。
第3章 「読みやすい作品」と「文学作品」の違いを知ろう
この記事では、小説を大きく「読みやすい作品」と「文学作品」の2つに分けて紹介しています。
これは、「どちらが優れているか」という意味ではありません。
お子さんの読書レベルに合わせて、本を選びやすくするための分類です。
読みやすい作品とは
この記事でいう「読みやすい作品」とは、読書経験が少ない中学生でも最後まで読み切りやすい作品を指します。
例えば、
- 現代の言葉遣いで書かれている
- 学校生活や友情、家族など、中学生が共感しやすいテーマが多い
- 物語の展開が分かりやすく、「続きが読みたい」と思える
といった特徴があります。
「読みやすい」と聞くと、「内容が浅いのかな?」と思われるかもしれません。
しかし、そのようなことはありません。
例えば、『カラフル』や『きみの友だち』などは、多くの読者に愛され、学校教材や高校入試などで扱われることもある作品です。
文学作品とは
一方、文学作品は、長い年月を経ても読み継がれ、多くの人に愛され続けている作品です。
例えば、
- 『杜子春』
- 『トロッコ』
- 『こころ』
などが代表的です。
これらの作品は、人間の心情や生き方を深く描いており、高校入試や大学受験でも親しまれています。
一冊の作品から、年齢によって異なる気づきが得られることも、文学作品ならではの魅力です。
その一方で、難しさもあります。
現代では使われない言葉や、その時代ならではの価値観・文化が登場するため、中学生だけでなく、大人でも意味が分かりにくいことがあります。
例えば、
- 書生
- 高等遊民
- 女中
- 人力車
などは、今の子どもたちにはなじみの薄い言葉です。
もちろん、それも文学作品の魅力の一つですが、読書習慣が身についていない段階では、「難しい」「つまらない」と感じてしまう原因にもなりかねません。
大切なのは「順番」です
「せっかくなら最初から名作を読ませたい。」
その気持ちは、とてもよく分かります。
しかし、読書が苦手なお子さんに、いきなり難しい文学作品を渡してしまうと、「本は難しいもの」という印象だけが残ってしまうことがあります。
だからこそ、まずは読みやすい作品で読書の楽しさを知り、少しずつ文学作品へステップアップしていくことが大切です。
名作をゴールにするのではなく、名作を楽しめる読書体力を育てること。
第4章 保護者の方へ|焦らなくても大丈夫です
子どもの間には、読書経験の大きな差があります。
本が大好きな子は、保護者が何も言わなくても次々と本を読み、やがて夏目漱石や芥川龍之介のような名作にも自然と手を伸ばしていきます。
しかし、そのようなお子さんは決して全員ではありません。
スマートフォンや動画、ゲームなど、子どもを取り巻く環境が大きく変わった今、「どうすれば本を好きになってくれるのだろう」と悩みながら、お子さんと向き合っている保護者の方はたくさんいます。
決して、あなただけではありません。
これは英語学習にもよく似ています。
小学生のうちに英検2級や準1級に合格する子もいます。
しかし、多くの子どもは、教科書の英語から一歩ずつ積み重ねながら力を伸ばしていきます。
読書も同じです。
本が好きな子と比べて焦る必要はありません。
大切なのは、お子さんの今の読書レベルに合った一冊を選び、「最後まで読めた」という成功体験を積み重ねることです。
跳び箱も、最初から八段を軽々と跳べる子もいれば、一段ずつ練習を重ねて跳べるようになる子もいます。
どちらが優れているという話ではありません。
大切なのは、その子に合った段階で、一歩ずつ前へ進むことです。
読書も同じです。
名作を急いで読ませることが目的ではありません。
「本って面白い。」
その気持ちを育てることこそが、保護者にできる一番大切な読書教育ではないでしょうか。

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