近年、「中学受験をしない小学生の勉強はどうすればよいのか」と悩む保護者が増えています。
中学受験をしない場合、小学生の学習は「受験対策」ではなく、高校受験やその先を見据えた基礎力づくりが重要になります。
特に小学生の時期は、勉強量を増やすことよりも、学習習慣を作り、科目ごとの正しい学び方を身につけることが大切です。
ただし、小学生の学習ではすべての科目を同じように進めればよいわけではありません。算数・英語・国語・理科社会は、それぞれ役割も勉強方法も大きく異なる科目だからです。
たとえば算数は、小学生のうちに計算力を完成させることで、中学数学を先取りする道が開けます。英語は時間のかかる科目なので、早めに取り組むことで中学以降の学習が圧倒的に有利になります。
一方、国語は読解力と語彙力の積み重ねが重要であり、理科・社会は知識型の学習として効率よく進めることができます。
そこで本記事では、中学受験をしない小学生が高校受験で有利になるための学習戦略を、次の方針で解説します。
・小4は国語と算数を中心に学習習慣を作る
・小5以降に英語と理科社会を本格的に加える
・科目ごとに最適な学習戦略を取る
中学受験をしなくても、小学生の学習次第で高校受験の難易度は大きく変わります。
本記事では、小4〜小6でどの科目をどの順番で進めればよいのか、そして家庭で実践できる具体的な学習戦略をわかりやすく解説していきます。
第1章 中学受験をしない小学生の学習戦略の基本方針
中学受験をしない小学生の学習では、「何をどの順番で学ぶか」がとても重要になります。
中学受験を目指す場合は塾のカリキュラムに沿って全科目を同時に進めていきますが、高校受験を見据えた学習では、科目ごとに優先順位をつけて戦略的に進める方が効率的です。
とくに小学生の段階では、すべての科目を同じ比重で勉強する必要はありません。むしろ重要なのは、
・毎日学習する習慣を作る
・将来の学力の土台になる科目を優先する
・年齢に合った内容で無理なく先取りする
という3点です。
その観点から考えると、中学受験をしない小学生の学習は次のような流れが現実的です。
小4:国語と算数を中心に学習習慣を確立する
小5以降:英語・理科・社会を追加する
ただし、すでに家庭学習の習慣がある子どもであれば、小4から英語を始めても問題ありません。英語は習得に時間がかかる科目なので、早めに取り組むほど有利になります。
一方で理科と社会は、算数や英語ほど優先度の高い科目ではありません。算数や英語が順調に進んでいる場合に、余裕を見ながら取り組む科目と考えるのが現実的です。
また、小学生の学習で見落とされがちなのですが、科目によって学習の方針はまったく違います。
たとえば、
算数は「計算力の完成」が最重要
英語は「書く力」を中心に中学英語を早期に終わらせる
国語は「漢字と読解」の基礎を積み上げる
理科・社会は「中学範囲を問題演習で先取りする」
というように、同じ勉強でもアプローチは大きく異なります。
そこで本記事では、科目ごとに次のような学習戦略を解説していきます。
算数:3段階で中学数学までつなげる
算数は、小学生の学習の中で最も重要な科目です。
高校受験でも数学は得点差がつきやすく、また理科の理解にも大きく影響します。
中学受験をしない場合、算数は次の3段階で進めるのが合理的です。
第1段階:計算力を中学受験レベルまで引き上げる
まず最優先で取り組むべきなのが計算力です。
小学生の算数の多くの問題は、結局のところ計算力が不足しているために時間がかかったり、ミスが増えたりします。
そのため、小学生のうちに
・四則計算
・分数
・小数
・割合計算
などの計算を、中学受験レベルのスピードと正確さまで引き上げることを目標にします。
計算力が完成していれば、その後の算数や数学の学習は驚くほど楽になります。
第2段階:図形・割合など高校入試につながる文章題
計算力がある程度完成したら、次に取り組むのが図形や文章題です。
とくに重要なのは
・割合
・比
・速さ
・図形
など、高校入試でも頻繁に出題される分野です。
ただし、小学4年生の段階では抽象的な思考がまだ十分に発達していない子どもも多く、複雑なプロセスを必要とする問題に無理に取り組ませると、学習効率が悪くなることがあります。
そのため、難問に時間をかけすぎるより、できる範囲で着実に力を伸ばしていく方が合理的です。
第3段階:中学数学の先取り
計算力が完成している場合、中学数学の基礎は意外なほどスムーズに理解できます。
そのため小学生のうちに、
・正負の数
・文字式
・一次方程式
といった中1の内容から順に学習を進めることが可能です。
理想的には小6までに中学数学全範囲、少なくとも一次方程式まで進んでいると、その後の数学学習が非常に楽になります。
また、第2段階と第3段階は並行して進めても問題ありません。
図形や文章題で行き詰まったときに、正負の数や文字式などの中学数学に取り組むと、よい気分転換になることもあります。計算力が完成している子どもにとって、中1数学はむしろ取り組みやすい内容だからです。
英語:中2までに中学英語を終わらせる
英語は算数と並んで重要な科目です。
ただし算数と違い、習得に時間がかかる科目です。
そのため、小学生から英語に取り組む場合は、
小6から始めて中2の夏までに中学英語を終える
というペースを一つの目標にするとよいでしょう。
少し余裕を見ても、中2のうちに中学英語が終わっていれば十分です。
このペースで進めると、
中3の1年間を高校英語の学習に使うことができます。
高校受験の英語は、中学英語だけでも解けますが、少しでも高校英語を学んでいると理解度が大きく変わります。長文読解や文法問題でも余裕が生まれ、英語を得点源にすることが可能になります。
このように、中学受験をしない小学生の学習では、算数と英語を軸に学習を設計することが非常に重要です。
次章からは、それぞれの科目について、具体的な学習方法を詳しく解説していきます。
第2章 算数の学習戦略――小学生のうちに数学の土台を完成させる
中学受験をしない小学生の学習において、最も重要な科目は算数です。
算数は中学に入ると数学へと発展し、その理解度が高校受験の成績にも大きく影響します。また、理科の計算問題などにも関わるため、小学生の算数の理解度はその後の学力全体の基盤になると言っても過言ではありません。
ただし、小学生の算数で重要なのは、難しい問題に早く取り組むことではありません。
むしろ重要なのは、計算力をしっかり完成させ、その上で高校入試につながる分野に時間を使うことです。
そのため、算数の学習は次の3段階で進めるのが合理的です。
1.計算力を中学受験レベルまで引き上げる
2.高校入試につながる文章題・図形に取り組む
3.中学数学を先取りする
この順番で進めることで、小学生のうちに数学の土台をしっかり作ることができます。
1 計算力を中学受験レベルまで引き上げる
算数で最も重要なのは計算力です。
四則計算、分数、小数といった基本計算が速く正確にできるかどうかで、算数の理解度は大きく変わります。
実際、小学生の算数の多くの問題は、途中で複雑な計算が出てきます。計算が遅いと問題を解くこと自体が大変になりますし、ミスも増えてしまいます。
そのため、小学生のうちに
・整数の四則計算
・分数の計算
・小数の計算
・割合の計算
といった基本計算を、中学受験レベルのスピードと正確さまで引き上げることを目標にします。
ここが完成すると、その後の算数や数学の学習は非常に楽になります。逆に、この計算力が不十分なまま進むと、中学数学でつまずく原因になります。
小4の段階では、まずこの計算力の完成を最優先にするのがよいでしょう。
2 図形・割合など高校入試につながる分野
計算力がある程度身についたら、次に取り組むのが図形や文章題です。
特に重要なのは、高校入試でも頻繁に出題される次の分野です。
・割合
・比
・速さ
・図形
これらの分野は、小学生の算数としてだけでなく、高校入試の数学にもつながる重要分野です。
ただし、小学生の段階では抽象的な思考がまだ十分に発達していない子どもも多く、複雑な思考過程を必要とする問題に無理に取り組ませると、学習効率が悪くなることがあります。
そのため、難問ばかりに時間をかけるよりも、基礎から標準レベルの問題をしっかり理解することを重視する方が効果的です。
また、割合や速さなどの文章題は、単に解き方を覚えるのではなく、「なぜその式になるのか」を説明できるレベルまで理解しておくと、中学数学にもつながります。
3 中学数学の先取り
計算力が完成している場合、中学数学の基礎は意外なほどスムーズに理解できます。
そのため、小学生のうちから
・正負の数
・文字式
・一次方程式
といった中1数学の内容に取り組むことも十分可能です。
理想的には、小6までに中学数学の全範囲を一度学習しておくと、中学に入ってからの数学が非常に楽になります。そこまで進めなくても、少なくとも一次方程式まで理解していれば、中学数学のスタートはかなり有利になります。
また、図形や文章題に取り組んでいて行き詰まった場合には、中学数学の内容に取り組むという方法も有効です。
図形は思考力を必要とするため、長時間取り組むと疲れてしまうことがあります。そのようなときに、正負の数や文字式などの計算中心の内容に取り組むと、よい気分転換になります。
このように、図形・文章題と中学数学を並行して進めることで、算数と数学の学習を効率よく進めることができます。
算数は最も時間をかけるべき科目
中学受験をしない小学生の学習では、算数は最も時間をかけるべき科目です。
計算力を完成させ、高校入試につながる文章題や図形を学び、さらに中学数学まで先取りしておけば、その後の学習は非常に有利になります。
実際にこのような学習を進めていくと、難しい問題に苦労しながら進むのではなく、比較的スムーズに学習が進むため、子どもの自己肯定感も高まりやすくなります。
次章では、もう一つの重要科目である英語の学習戦略について解説します。
第3章 英語の学習戦略―中学英語を早く終わらせる
算数と並んで重要になる科目が英語です。
ただし算数とは違い、英語は短期間で急激に伸ばすことが難しい科目です。語彙・文法・読解・音声といった複数の要素を少しずつ積み上げる必要があるため、ある程度の学習期間が必要になります。
そのため、中学受験をしない小学生の場合は、中学英語を早めに終わらせることを一つの目標にするとよいでしょう。
目安としては、小6から英語を始めて、中2の夏までに中学英語を終えるというペースです。
多少余裕を見ても、中2のうちに中学英語を終えていれば十分です。
このペースで進めることができれば、中3の1年間を高校英語の学習に使うことができます。
高校受験の英語は中学英語の範囲から出題されますが、高校英語を少しかじっているだけでも理解度が大きく変わります。結果として、英語が得点源になりやすくなります。
1 英語は「書く英語」を中心に学ぶ
小学生の英語教育では、「英語に慣れる」「英語を好きにする」といった目的で、会話中心の学習が行われることが多くあります。
もちろん音声学習は大切ですが、週1回の英会話教室だけで英語力が大きく伸びることはあまりありません。特に高校受験を考える場合、必要になるのは文法理解と読解力です。
そのため家庭学習では、
・英文を書く
・英文法を理解する
・英語を読めるようにする
といった書く英語を中心に学習することが重要になります。
中学英語は体系的に学べば、それほど難しい内容ではありません。むしろ、小学生のうちから少しずつ進めていけば、中学に入ってからの英語学習は非常に楽になります。
2 音声学習も補助的に取り入れる
英語は言語なので、音声に触れることも大切です。
単語や例文を音声と一緒に覚えることで、発音やリズムにも自然に慣れることができます。
ただし、音声学習だけで英語が身につくわけではありません。
英語を理解するためには、文法や語順の理解が必要です。
そのため、英語学習では、文法学習(書く英語)を軸にしながら、音声を補助的に取り入れるという形が現実的です。
3 英会話中心の学習には注意する
小学生向けの英語教育では、「コミュニケーション英語」という言葉がよく使われます。しかし、週1回程度の英会話スクールで実用的な英語力が身につくことはほとんどありません。
英語は、ある程度の語彙と文法が身について初めてコミュニケーションが成立します。土台がない状態で会話練習だけをしても、英語力の伸びは限定的になりがちです。
もちろん英会話教室が悪いわけではありませんが、英語力の中心は家庭学習で作るという意識が大切です。
4 英語は早めに終わらせると有利
英語の大きな特徴は、「先に進むほど楽になる」という点です。
中学英語が終わっていれば、
・高校受験の英語はほぼ対応できる
・長文読解が楽になる
・英語を得点源にしやすい
というメリットがあります。
さらに中3で高校英語に少し触れておくだけでも、入試問題の理解度が上がります。英語は積み上げ型の科目なので、早めに基礎を終わらせるほど大きなアドバンテージになります。
このように、中学受験をしない小学生の学習では、算数と英語が学習の軸になります。
第4章 国語の学習戦略―漢字と読解をバランスよく伸ばす
算数や英語と比べると、国語は「勉強方法が分かりにくい科目」と感じる保護者も多いかもしれません。
しかし、国語の学習の基本はそれほど複雑ではありません。
小学生の国語で重要なのは、次の2つです。
・漢字と語彙力を増やすこと
・文章を正確に読む力を身につけること
この2つをバランスよく進めていくことが、国語力を伸ばすうえで最も重要です。
また、算数や英語のように「先取りしてどんどん進める科目」というよりは、毎日の積み重ねでゆっくり力を伸ばす科目と考えた方がよいでしょう。
1 まずは漢字をしっかり覚える
国語の基礎になるのは漢字です。
漢字が分からないと文章を読むときに意味を正確に理解できず、読解力にも影響します。
そのため、小学生のうちは
・学年の漢字を確実に覚える
・書けるだけでなく読めるようにする
・熟語や言葉の意味も意識する
といった基本を丁寧に積み上げることが重要です。
漢字学習は短時間でもよいので、毎日継続することが大切です。1日10分程度でも続けていくと、語彙力は確実に増えていきます。
2 読解問題で文章を読む力を育てる
もう一つ重要なのが読解です。
読解力はすぐに身につくものではなく、問題演習を通して少しずつ鍛えていく必要があります。
小学生の読解問題では、
・登場人物の気持ち
・筆者の主張
・段落ごとの内容
などを正しく理解できるかが問われます。
ただし、読解問題を解くときに大切なのは、感覚で答えないことです。
たとえば、
「どこにそう書いてあるか」
「なぜその答えになるのか」
を文章の中から確認する習慣をつけることが重要です。
このような読み方を身につけると、中学以降の国語や英語の読解にも大きく役立ちます。
3 読書だけでは読解力は伸びにくい
国語力を伸ばす方法として、よく「読書が大切」と言われます。
もちろん読書は語彙力を増やしたり、文章に慣れるうえで役に立ちます。
しかし、読書だけで読解力が大きく伸びるとは限りません。入試やテストで問われる読解力は、文章を論理的に読む力だからです。
そのため、読書とあわせて
・読解問題を解く
・解説を読んで理解する
・間違えた問題を見直す
といった学習も必要になります。
4 国語は算数や英語の補助的な役割もある
国語は単独の科目としても重要ですが、実は他の科目にも大きく影響します。
算数の文章題
英語の長文読解
理科や社会の問題文
これらはすべて、文章を正確に読む力が必要です。
そのため、国語の読解力がある子どもは、他の科目でも理解が早くなる傾向があります。
ただし、学習時間の配分としては、算数・英語を優先しながら、国語は毎日少しずつ積み上げるという形が現実的です。
このように、小学生の国語では漢字と読解をバランスよく学び、文章を正確に読む力を育てていくことが重要になります。
次章では、算数や英語とは少し性格の異なる科目である、理科・社会の学習戦略について解説します。
第5章 理科・社会の学習戦略――中学範囲を問題演習中心で先取りする
理科と社会は、算数・英語・国語とは少し性格の違う科目です。
算数のように高度な思考力が必要になるわけでもなく、英語のように長い時間をかけて積み上げる科目でもありません。
そのため、小学生の段階では優先順位はやや低めに考えて構いません。
まずは算数と英語を軸に学習を進め、それが順調に進んでいる場合に取り組む科目と考えるのが現実的です。
ただし、理科と社会には一つ大きな特徴があります。
それは、小学校の内容をすべて学ばなくても、中学の内容に取り組めるという点です。
算数の場合、小学算数の基礎が理解できていないと中学数学に進むことは難しくなります。しかし理科や社会は、知識を積み上げる科目なので、小学校の順序にこだわらずに学習を進めることが可能です。
そのため、理科と社会では、小学校範囲にこだわらず、中学分野を先取りするという学習戦略が有効になります。
1 小学生でも中学分野の学習は可能
理科や社会は、知識の理解が中心になる科目です。もちろん理解は必要ですが、算数のように抽象的な思考が強く求められるわけではありません。
たとえば社会であれば、
・古代
・鎌倉時代
・江戸時代
・近代史
といった歴史の流れは、小学生でも十分に理解できます。
また理科でも、
・生物
・地学
・化学
・物理
といった中学分野の基礎は、小学生でも取り組むことが可能です。
そのため、小学校の教科書にこだわるよりも、中学範囲の市販問題集を使って先取りする方が効率的な場合も多いのです。
2 理社は「読む」より「問題を解く」
理科や社会の学習でよくある失敗は、参考書を読むだけで満足してしまうことです。
もちろん内容を理解することは大切ですが、長い時間をかけて参考書を読むだけでは知識は定着しにくくなります。
そのため、理社の学習では、まとめを軽く読んだら、すぐ問題を解くという流れを意識することが重要です。
たとえば歴史の学習なら、
鎌倉時代のまとめを軽く読む
↓
すぐに問題集を解く
↓
間違えた問題を覚える
という形で学習を進めます。
極端に言えば、問題集の内容を覚える感覚で学習するくらいでも構いません。問題を解きながら知識を整理していく方が、効率よく理解できます。
3 難しい場合は講義を活用する
もし問題集だけでは理解が難しい場合は、講義形式の教材を利用する方法もあります。
たとえば
・スタディサプリなどの映像授業
・解説が丁寧な参考書
などを利用すると、内容の理解がしやすくなります。
講義で全体の流れを理解したあとに問題集に取り組むと、知識の定着もスムーズになります。
ただし、理科や社会の学習は、あくまで算数と英語が順調に進んでいることが前提です。算数や英語がまだ十分に進んでいない段階で理社に時間をかけすぎると、学習のバランスが崩れてしまいます。
4 理科・社会は余裕があれば進める
中学受験をしない小学生の学習では、
算数
英語
国語
この3科目がまず中心になります。
理科と社会は、それらの学習が順調に進んでいる場合に取り組めば十分です。
ただし、早い段階で中学範囲の知識を一度学んでおくと、中学生になってからの授業が非常に理解しやすくなります。
無理をして進める必要はありませんが、余裕があれば中学範囲の先取りをしておくと大きなアドバンテージになる科目です。
第6章 学年別の学習モデル―小4から小6までの進め方
ここまで、算数・英語・国語・理科・社会それぞれの学習戦略を解説してきました。
しかし、実際に家庭学習を進めるうえでは、「どの学年で何をやればよいのか」が気になる方も多いと思います。
そこでここでは、小4から小6までの学習の進め方を、具体的なモデルとして整理します。
もちろん子どもの学力や学習習慣によって進み方は変わりますが、高校受験を見据えた場合の一つの合理的な学習の流れとして参考にしてください。
小4:学習習慣を作り、算数と国語を中心に学ぶ
小4は、まず毎日学習する習慣を作ることが最も重要です。
この段階では、無理に多くの科目を進める必要はありません。
中心になるのは次の2科目です。
算数
国語
算数では、四則計算・分数・小数などの基本計算を確実に身につけ、計算力を高めていきます。将来の数学の土台になるため、この時期に計算力をしっかり鍛えておくことが大切です。
国語では、漢字学習と読解問題に取り組み、語彙力と文章を読む力を少しずつ伸ばしていきます。
すでに家庭学習の習慣がある場合は、小4から英語を始めても問題ありません。ただし、英語学習を始める場合でも、算数と国語が学習の中心になることは変わりません。
小5:算数を発展させ、英語を本格的に始める
小5になると、学習習慣もある程度定着してきます。この段階から英語を本格的に始めるとよいでしょう。
算数では、計算力をさらに高めながら、
割合
比
速さ
図形
といった文章題や思考問題にも取り組み始めます。
また、計算力が十分に身についている場合は、中学数学の先取りを少しずつ始めても構いません。正負の数や文字式などは、小学生でも理解できる内容です。
英語では、アルファベットや基本単語から始め、英文法の基礎を学びながら簡単な英文を書けるようにしていきます。英語は時間のかかる科目なので、ここからコツコツと積み上げていくことが重要です。
国語は、小4と同じように漢字と読解の学習を継続します。
小6:中学学習への橋渡し
小6は、小学校の学習のまとめと同時に、中学学習への橋渡しを行う時期です。
算数では、
図形
文章題
中学数学
といった内容を並行して進めていきます。理想的には、小6までに一次方程式まで理解できていると、中学数学のスタートが非常に楽になります。
英語は、文法学習を進めながら中学英語の内容を学んでいきます。小6から英語を始めた場合でも、中2の夏までに中学英語を終えることを目標に進めれば問題ありません。
また、算数と英語が順調に進んでいる場合は、理科や社会の中学分野にも取り組むことができます。問題集中心で知識を整理しておくと、中学生になってからの学習が非常に楽になります。
小学生の学習は「順番」が大切
小学生の学習で最も大切なのは、勉強量よりも順番です。
算数の基礎を作る
↓
英語を少しずつ積み上げる
↓
国語で読解力を支える
↓
余裕があれば理科・社会を進める
この順番で学習を進めていくと、無理なく学力を伸ばすことができます。
難しい問題を無理に解かせるよりも、子どもの発達段階に合わせて学習を進める方が、結果として効率よく力を伸ばすことができます。
第7章 まとめ―中学受験をしない小学生が高校受験で有利になる学習とは
ここまで、中学受験をしない小学生の学習戦略について、科目ごとに解説してきました。
小学生の学習というと、「どの問題集を使うか」「どの塾に通うか」といった話に目が向きがちですが、本当に重要なのは学習の順番と方針です。
すべての科目を同じように勉強する必要はありません。科目ごとに性格が違うため、それぞれに合った学習戦略を取ることが大切です。
この記事で紹介した方針を整理すると、次のようになります。
まず小学生の学習の軸になるのは、算数と英語です。
算数では、小学生のうちに計算力を完成させることが最優先です。そのうえで、割合や速さ、図形といった高校入試につながる分野に取り組み、さらに中学数学の基礎を先取りしていきます。
英語は習得に時間がかかる科目なので、中学英語を早めに終わらせることが重要です。小6から始めた場合でも、中2の夏ごろまでに中学英語を終えることを目標にすると、その後の学習が非常に有利になります。
国語は、漢字と読解をバランスよく学びながら、文章を正確に読む力を育てていきます。算数や英語ほど急いで先取りする必要はありませんが、毎日少しずつ積み上げることで確実に力が伸びていきます。
理科と社会は、算数や英語が順調に進んでいる場合に取り組めば十分です。小学校の範囲にこだわらず、中学分野の問題集を使って先取りすることで、中学生になってからの学習が楽になります。
そして、もう一つ重要なのが学習習慣を作ることです。
小学生の段階で「毎日机に向かう習慣」が身についていれば、中学生になってからの学習は大きく変わります。逆に、この習慣がないと、どれだけよい教材を使っても学習はなかなか進みません。
中学受験をしない場合、小学生のうちは周囲と大きな差が見えにくいかもしれません。しかし、算数や英語の基礎をしっかり作っておくと、中学に入ってから学力の差がはっきりと現れてきます。
難しい問題に無理に挑戦する必要はありません。
子どもの発達段階に合わせて、計算力・英語力・読解力といった土台を着実に作ることが、結果として高校受験で大きなアドバンテージになります。
小学生の学習は、将来の学力を決める大切な時期です。
この記事で紹介した戦略を参考に、家庭に合った学習スタイルを作っていってください。

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