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食塩水の蒸発問題を完全攻略|基本・混ぜる・逆算まで徹底解説

食塩水の問題の応用として、今回は「蒸発するパターン」を学習していきます。

この分野も入試でよく出題される重要テーマの一つです。見た目は難しそうに感じますが、基本を押さえて整理すれば、落ち着いて解けるようになります。

前回の記事では、「混ぜる問題」を通して、食塩水全体・食塩・水の関係を考える練習をしてきました。

混ぜる問題では、2つの食塩水を合わせることで全体の量や食塩の量が変化しました。

一方、蒸発の問題では少し考え方が異なります。蒸発するのは水だけであり、食塩の重さは変わらないというのが最大のポイントです。

この「何が変わって、何が変わらないのか」を正しく整理できるかどうかで、解けるかどうかが決まります。

特に蒸発の問題は、式だけで無理に解こうとすると混乱しやすく、小学生だけでなく中学生でも苦手にしやすい単元です。だからこそ、表や図を使いながら変化を丁寧に追うことが大切です。

そこで本記事では、蒸発の問題を次のようなパターンに分けて整理していきます。

・食塩水から水だけが蒸発する基本パターン
・混ぜたあとに蒸発する応用パターン
・蒸発後の濃さから逆算するパターン

それぞれの考え方を一つずつ確認しながら、「どこが変化し、どこが変わらないのか」を自分で整理できる状態を目指していきましょう。

目次

第1章 食塩水から水だけが蒸発する基本パターン

まずは蒸発の基本パターンを確認します。

このタイプの問題では、「食塩は変わらない」「水だけが減る」という2点を押さえることが最も重要です。どこが変化しているのかを整理しながら取り組んでみましょう。

【例題】

10%の食塩水が300gあります。この食塩水を加熱して、水だけが60g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[解き方]

STEP
食塩の重さは変わらない

蒸発するのは水だけなので、食塩の重さは変わりません。

はじめの食塩の重さは、

300×0.1=30g

STEP
食塩水の重さは減る

水が60g蒸発したので、

300−60=240g

STEP
新しい濃度を求める

STEP1とSTEP2から求めた結果を「濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ」の公式にあてはめます。

30÷240=0.125

[答え]

12.5%

STEP1からSTEP3を表にまとめると次の通りです。

食塩水の変化の表

はじめ蒸発後
食塩水300g240g
食塩30g30g
270g210g

それでは練習問題に挑戦してみましょう。

蒸発の問題では、どこが変わり、どこが変わらないのかを整理することが大切です。特に「食塩は変わらない」という点に注意して取り組んでください。

問1
8%の食塩水が250gあります。この食塩水を加熱して、水だけが50g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[式]

はじめの食塩の重さは、

250 × 0.08 = 20(g)

蒸発後の食塩水の重さは、

250 − 50 = 200(g)

したがって、残った食塩水の濃さは、

20 ÷ 200 × 100 = 10(%)

[答え]

10%

問2
12%の食塩水が400gあります。この食塩水を加熱して、水だけが80g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[式]

はじめの食塩の重さは、

400 × 0.12 = 48(g)

蒸発後の食塩水の重さは、

400 − 80 = 320(g)

したがって、残った食塩水の濃さは、

48 ÷ 320 × 100 = 15(%)

[答え]

15%

問3
15%の食塩水が200gあります。この食塩水を加熱して、水だけが40g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[式]

はじめの食塩の重さは、

200 × 0.15 = 30(g)

蒸発後の食塩水の重さは、

200 − 40 = 160(g)

したがって、残った食塩水の濃さは、

30 ÷ 160 × 100 = 18.75(%)

[答え]

18.75%

第2章 食塩水を混ぜたあとに蒸発する応用パターン

この章では、「食塩水を混ぜたあとに蒸発するパターン」を扱います。

一見すると、「混ぜる」と「蒸発」が組み合わさっているため、難しく感じるかもしれません。しかし、これまで学習してきた内容をそのまま順番に使っていくだけで、特別な新しい考え方は必要ありません。

実際には、
・先に食塩水を混ぜる
・そのあと水だけが蒸発する

という2つの操作を、順番通りに処理しているだけです。

前半は「混ぜる問題」、後半は第1章で扱った「蒸発の問題」とまったく同じ考え方になります。

混ぜるパターンの解説は以下の記事に詳しく書いています。
食塩水の濃度|混ぜる3パターンを完全マスター

したがって、それぞれの手順を丁寧に追っていけば、見た目ほど難しい問題ではありません。

一つずつ整理しながら、「複合問題でも同じ手順で解ける」ことを確認していきましょう。

【例題】

8%の食塩水200gと、12%の食塩水300gを混ぜました。そのあと、この食塩水を加熱して水だけが100g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[解き方]

STEP
それぞれの食塩の重さを出す

8%の食塩水の含まれる食塩:
200×0.08=16g

12%の食塩水の含まれる食塩:
300×0.12=36g

STEP
混ぜたあとの合計を求める

食塩:
16+36=52g

食塩水:
200+300=500g

STEP
蒸発後の重さを求める

食塩水:
500−100=400g

食塩:
52g(食塩は変わらないので52gのまま)

STEP
蒸発後の濃度を求める

52÷400=0.13

[答え]

13%

変化の表

混ぜた直後蒸発後
食塩水500g400g
食塩52g52g
448g348g

例題の流れはつかめたでしょうか。

このタイプの問題は、「先に混ぜる → そのあと蒸発する」という順番を守って、1つずつ処理していけば確実に解けます。

特に、蒸発では水だけが減り、食塩の重さは変わらない点を忘れないようにしましょう。

それでは、同じパターンの問題に挑戦してみましょう。

問1
6%の食塩水250gと、14%の食塩水150gを混ぜました。そのあと、この食塩水を加熱して水だけが80g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[解き方]

まず、それぞれの食塩の重さを求めます。

250 × 0.06 = 15(g)
150 × 0.14 = 21(g)

したがって、混ぜたあとの食塩の重さは、

15 + 21 = 36(g)

混ぜたあとの食塩水の重さは、

250 + 150 = 400(g)

ここから水だけが80g蒸発するので、残った食塩水の重さは、

400 − 80 = 320(g)

したがって、残った食塩水の濃さは、

36 ÷ 320 × 100 = 11.25(%)

[答え]

11.25%

問2
5%の食塩水300gと、9%の食塩水200gを混ぜました。そのあと、この食塩水を加熱して水だけが100g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[解き方]

まず、それぞれの食塩の重さを求めます。

300 × 0.05 = 15(g)
200 × 0.09 = 18(g)

したがって、混ぜたあとの食塩の重さは、

15 + 18 = 33(g)

混ぜたあとの食塩水の重さは、

300 + 200 = 500(g)

ここから水だけが100g蒸発するので、残った食塩水の重さは、

500 − 100 = 400(g)

したがって、残った食塩水の濃さは、

33 ÷ 400 × 100 = 8.25

[答え]

8.25%

問3
12%の食塩水180gと、20%の食塩水220gを混ぜました。そのあと、この食塩水を加熱して水だけが200g蒸発しました。残った食塩水の濃さは何%になりますか。

【解答】

[解き方]

まず、それぞれの食塩の重さを求めます。

180 × 0.12 = 21.6(g)
220 × 0.20 = 44(g)

したがって、混ぜたあとの食塩の重さは、

21.6 + 44 = 65.6(g)

混ぜたあとの食塩水の重さは、

180 + 220 = 400(g)

ここから水だけが200g蒸発するので、残った食塩水の重さは、

400 − 200 = 200(g)

したがって、残った食塩水の濃さは、

65.6 ÷ 200 × 100 = 32.8

[答え]

32.8%

第3章 蒸発後の濃さからもとの量を求める逆算パターン

逆算の基本問題に取り組んでみましょう。

これまでの問題では、「食塩水の変化をもとに濃さを求める」問題を扱ってきましたが、ここではその逆で、「蒸発後の濃さからもとの状態を求める」問題になります。

一見すると難しそうに感じるかもしれませんが、考え方はこれまでと同じです。

蒸発では水だけが減り、食塩の重さは変わらないという関係をもとに、順番をさかのぼって考えていきます。

まずは、どこから逆にたどればよいのかを意識しながら取り組んでみましょう。

【例題】

食塩水を加熱して、水だけを40g蒸発させたところ、15%の食塩水が160g残りました。もとの食塩水は何gで、濃さは何%でしたか。

【解答】

この問題では、蒸発後の状態がわかっています。ここから、もとの状態を逆にたどっていきます。

蒸発では、水だけが減り、食塩の重さは変わりません。

STEP
もとの食塩水の重さを求める

蒸発後は160gで、水だけが40g減ったので、もとの食塩水の重さは
160 + 40 = 200(g)

STEP
蒸発後の食塩の重さを求める

蒸発後の濃さは15%なので、食塩の重さは

160 × 0.15 = 24(g)

食塩は蒸発しないので、もとの食塩の重さも24gです。

STEP
もとの濃さを求める

もとの食塩水は200g、食塩は24gなので、【濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ】の公式に当てはめます。

24 ÷ 200=0.12

[答え]

もとの食塩水は 200g、濃さは 12%

変化の表

もと蒸発後
食塩水200g160g
食塩24g24g
176g136g

それでは練習問題に取り組んでみましょう。

逆算の問題では、蒸発後の状態から順番にさかのぼって考えることが大切です。

「食塩は変わらない」というポイントを意識しながら解いてみましょう。

問1
食塩水を加熱して、水だけを30g蒸発させたところ、12%の食塩水が120g残りました。もとの食塩水は何gで、濃さは何%でしたか。

【解答】

[解き方]

蒸発後の食塩水は120gで、水だけを30g蒸発させたので、もとの食塩水の重さは、

120 + 30 = 150(g)

蒸発後の食塩の重さは、

120 × 0.12 = 14.4(g)

食塩の重さは変わらないので、もとの食塩の重さも14.4gです。

したがって、もとの濃さは、

14.4 ÷ 150 × 100 = 9.6(%)

[答え]

150g、9.6%

問2
食塩水を加熱して、水だけを50g蒸発させたところ、20%の食塩水が150g残りました。もとの食塩水は何gで、濃さは何%でしたか。

【解答】

[解き方]

蒸発後の食塩水は150gで、水だけを50g蒸発させたので、もとの食塩水の重さは、

150 + 50 = 200(g)

蒸発後の食塩の重さは、

150 × 0.20 = 30(g)

食塩の重さは変わらないので、もとの食塩の重さも30gです。

したがって、もとの濃さは、

30 ÷ 200 × 100 = 15(%)

[答え]

200g、15%

問3
食塩水を加熱して、水だけを60g蒸発させたところ、25%の食塩水が180g残りました。もとの食塩水は何gで、濃さは何%でしたか。

【解答】

[解き方]

蒸発後の食塩水は180gで、水だけを60g蒸発させたので、もとの食塩水の重さは、

180 + 60 = 240(g)

蒸発後の食塩の重さは、

180 × 0.25 = 45(g)

食塩の重さは変わらないので、もとの食塩の重さも45gです。

したがって、もとの濃さは、

45 ÷ 240 × 100 = 18.75

[答え]

240g、18.75%

【例題】
10%の食塩水120gから水を□g蒸発させたら12%の食塩水ができます。□を求めましょう。

【解答】

[解き方]

蒸発では、水だけが減り、食塩の重さは変わりません。

STEP
はじめの食塩の重さを求める

10%の食塩水120gなので、

120 × 0.1 = 12(g)

STEP
蒸発後の食塩水の重さを□を使って表す

水を□g蒸発させたので、

120 − □(g)

STEP
濃さの式をたてる

蒸発後は12%なので、

12 ÷(120 − □)= 0.12

STEP
□を求める

120−□=12÷0.12
120−□=100
□=120−100
□=20

[答え]

20%

例題の流れはつかめたでしょうか。

このタイプの問題は、食塩の重さが変わらないことをもとに、式を立てていけば確実に解けます。

「蒸発後の食塩水の重さ」を□で表すのがポイントです。

それでは、同じパターンの問題に挑戦してみましょう。

問1
8%の食塩水200gから水を□g蒸発させたら、10%の食塩水ができました。□を求めましょう。

【解答】

[解き方]

はじめの食塩の重さは、

200 × 0.08 = 16(g)

蒸発後の食塩水の重さは、

200 − □(g)

濃さが10%になるので、

16 ÷(200 − □)= 0.10

0.10 ×(200 − □)=16

200−□=16÷0.10

200−□=160

□=200−160

□ = 40

[答え]

40

問2
6%の食塩水300gから水を□g蒸発させたら、10%の食塩水ができました。□を求めましょう。

【解答】

[解き方]

はじめの食塩の重さは、

300 × 0.06 = 18(g)

蒸発後の食塩水の重さは、

300 − □(g)

濃さが10%になるので、

18 ÷(300 − □)= 0.10

(300 − □)=18÷0.10

(300 − □)=180

□=300−180

□=120

[答え]

120

問3
12%の食塩水250gから水を□g蒸発させたら、20%の食塩水ができました。□を求めましょう。

はじめの食塩の重さは、

250 × 0.12 = 30(g)

蒸発後の食塩水の重さは、

250 − □(g)

濃さが20%になるので、

30 ÷(250 − □)= 0.20

(250 − □)=30÷0.20

(250 − □)=150

□=250−150

□=100

[答え]

100

第4章 まとめ|蒸発問題の解き方の整理

この記事では、食塩水の蒸発に関する問題を、基本から応用・逆算まで整理してきました。

蒸発の問題は難しそうに見えますが、実際にやっていることはシンプルです。大切なのは、「何が変わり、何が変わらないのか」を正しく押さえることです。

1 蒸発の基本ルール

蒸発の問題では、次の関係がすべての出発点になります。

・食塩は変わらない
・水だけが減る
・食塩水全体の重さは減る

この3つを意識するだけで、多くの問題は整理できます。

2 基本パターンの解き方

食塩水を加熱して蒸発させる問題では、

① はじめの食塩の重さを求める
② 蒸発後の食塩水の重さを出す
③ 濃さを求める

という流れで解きます。

3 混ぜる+蒸発の考え方

このタイプでは、

・先に混ぜる(食塩と食塩水を合計)
・そのあと蒸発する(水だけ減る)

という順番で処理します。

一度に考えようとせず、操作ごとに分けることがポイントです。

4 逆算パターンの考え方

逆算の問題では、

・蒸発後の状態からスタートする
・もとの状態にさかのぼる

という流れになります。

特に、

・もとの食塩水の重さ=蒸発後+蒸発した水
・食塩の重さは変わらない

この2点を使えば、確実に解くことができます。

まとめ

蒸発の問題で最も重要なのは、「食塩は変わらない」この一点です。

ここを軸に、

・水がどれだけ減ったか
・食塩水全体がどう変わったか

を整理していけば、どんな問題でも同じ手順で解くことができます。

最初は表を書きながらで構いません。

慣れてくると、頭の中で変化をイメージできるようになります。

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この記事を書いた人

【ときおぼえアカデミー】運営者

明治大学卒業。

大学時代、英語や世界史に夢中になり、授業そっちのけで独学に没頭していました。学ぶことの楽しさを伝えたくて、アルバイトで塾講師も経験。

卒業後は金融業界に進みましたが、やがて教育業界への想いが捨てきれず、大手進学塾へ転職。

開成・国立・早慶附属といった難関校を目指す大手進学塾に、約10年勤務していました。

現在はまったく畑違いの仕事をしていますが、中学受験をしない小学生や高校受験を目指す中学生に役立つ情報を発信します。

名前はペンネームです。

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