英語の名詞を複数形にするとき、「-s」をつけるのか「-es」をつけるのかで迷ったことはありませんか。
さらに、「dogsはズと読むのに、catsはス、busesはイズになるのはなぜ?」と、発音まで含めて混乱してしまう人も多いはずです。
実はこの問題、スペルと発音が別々のルールで動いているように見えて、実は一つの仕組みでつながっています。
そして、その仕組みを理解すれば、「なんとなく覚える」必要はなくなり、ほとんどの単語を自力で判断できるようになります。
ポイントは次の3つです。
- 複数形はまずスペル(-s / -es)で判断する
- 発音は語尾の音(無声音・有声音)で決まる
- 一部は発音しやすくするために特別ルール(/ɪz/)が入る
この記事では、
- なぜ「-s」と「-es」に分かれるのか
- 「ス・ズ・イズ」の発音はどう決まるのか
- 例外(不規則名詞)はどう整理するのか
これらを、中学生でも分かる形で、しかし本質からしっかり理解できるように解説していきます。
[z]と発音・・・第1章の第1節
[s]と発音・・・第1章の第2節
[iz]と発音・・・第2章
「基本はーsをつける」・・・第1章
「s,x,sh,ch,zにーesをつける」・・・第2章
「yをiに変えてーesをつける」・・・第3章
「子音+oにーesをつける」・・・第4章
「f,feをvに変えてーesをつける」・・・第5章
■ 複数形ルール一覧(発音つき)
| 名詞の語尾 | 複数形 | 発音 | 単語例 |
|---|---|---|---|
| -s | + es | /ɪz/(イズ) | bus → buses(バス) |
| -z | + es | /ɪz/(イズ) | quiz → quizzes(クイズ) |
| -sh | + es | /ɪz/(イズ) | dish → dishes(皿) |
| -ch | + es | /ɪz/(イズ) | church → churches(教会) |
| -x | + es | /ɪz/(イズ) | box → boxes(箱) |
| 子音 + -o | + es | /z/(ズ)※ | tomato → tomatoes(トマト) |
| 子音 + -y | → ies | /z/(ズ) | city → cities(都市) |
| -f / -fe | → ves | /z/(ズ) | shelf → shelves(棚) |
| 上記以外 | + s | /s/ または /z/ | cat → cats(ねこ) / dog → dogs(犬) |
※ tomato → tomatoes は /z/ の音になります(イズではない)
第1章 基本の複数形ルール(-s )をマスターする
【スペルのルール①】
複数形の中で最も多いのが、名詞の語尾に「-s」をつけるパターンです。
☞ 英語の名詞の大部分は、この形で複数になります。
ただし、「-sをつける=全部同じ発音」ではありません。
発音は[s]と[z] の2パターンに分かれます
そして、その違いは直前の音が無声音か有声音かで決まるというルールになっています。
ここでは、その2つを順番に見ていきましょう。
① 発音が [z] になるパターン(有声音)
【発音ルール①】
語尾の音が有声音のとき、複数形の -s は [z](ズ) と発音
例外)[z] [ʒ][dʒ]を除きます(第2章で解説)
有声音はたくさんあり、このパターンに多く当てはまります。
ただ、「どれが有声音か」を毎回判断するのは難しいですよね。
そこで、次のように覚えるのがおすすめです。
具体例をあげます。
■ 母音(最重要)
- key → keys
- boy → boys
- day → days
- sea → seas
- shoe → shoes
☞ 母音のあと=ほぼ100% /z/(ズ)
■ 有声音子音(代表)
- /b/(lab → labs)
- /d/(bed → beds)
- /g/(dog → dogs)
- /v/(glove → gloves)
- /m/(game → games)
- /n/(pen → pens)
- /l/(ball → balls)
- /r/(car → cars)
②発音が [s]になるパターン(無声音)
【発音ルール②】
語尾の音が「無声音(声帯が震えない音)」のとき、複数形の -s は /s/(ス) と発音されます。
例外)[s] [ʃ] [tʃ]を除きます。→この例外は第2章で解説
無声音にもいろいろありますが、どれが無声音かを毎回判断するのは難しいですよね。
このパターンにあたる無声音は次の5つを覚えましょう。
▼ /p/ で終わる語
- cup → cups /kʌps/
- map → maps /mæps/
▼ /t/ で終わる語
- cat → cats /kæts/
- hat → hats /hæts/
▼ /k/ で終わる語
- book → books /bʊks/
- desk → desks /desks/
▼ /f/ で終わる語
- roof → roofs /ruːfs/
- cliff → cliffs /klɪfs/
▼ /θ/(thの無声音)で終わる語
- bath → baths /bæθs/
- path → paths /pæθs/
第2章 -esをつけるパターン(語尾のスペルと発音のルール)
第1章では「-s」をつける基本ルールを見ましたが、すべての名詞が -s で終わるわけではありません。
【スペルのルール②】
s, x, sh, ch, z で終わる語は 「-es」をつける
次の語尾のスペルに注目してください。
bus → buses
class → classes
glass → glasses
kiss → kisses
dress → dresses
pass → passes
boss → bosses
gas → gases
box → boxes
fox → foxes
tax → taxes
six → sixes
dish → dishes
fish → fishes
brush → brushes
wish → wishes
watch → watches
match → matches
catch → catches
teach → teaches
reach → reaches
switch → switches
bench → benches
branch → branches
buzz → buzzes /bʌzɪz/
quiz → quizzes /kwɪzɪz/
fuzz → fuzzes /fʌzɪz/
では、どのような発音になるのでしょうか?
【発音ルール③】
[s] [z] [ʃ] [tʃ] [ʒ] [dʒ]の音のあとの、「-es」は[iz]と発音!
具体例を挙げます。
▼ /s/ のあと
- bus → buses /bʌsɪz/
- class → classes /klæsɪz/
▼ /z/ のあと
- quiz → quizzes /kwɪzɪz/
- buzz → buzzes /bʌzɪz/
▼ /tʃ/ のあと
- watch → watches /wɑːtʃɪz/
- match → matches /mætʃɪz/
▼ /ʃ/ のあと
- dish → dishes /dɪʃɪz/
- brush → brushes /brʌʃɪz/
▼ /dʒ/ のあと
- judge → judges /dʒʌdʒɪz/
- bridge → bridges /brɪdʒɪz/
▼ /ʒ/ のあと(発展)
- garage → garages /ɡərɑːʒɪz/
- massage → massages /məsɑːʒɪz/
第3章 「子音+y」で終わる名詞の複数形(最頻出の落とし穴)
複数形の中で、最もミスが多いのが「yで終わる名詞」です。
一見シンプルに見えますが、「そのまま-s」なのか「-ies」なのかの判断で多くの受験生が失点します。
例を確認しましょう。
- city → cities
- country → countries
- baby → babies
- story → stories
- family → families
☞「yを消してiにして-es」と覚えるのがポイントです。
一方で、yの前が母音の場合はルールが変わります。
- boy → boys
- toy → toys
- key → keys
- day → days
- play → plays
3.なぜ変化が分かれるのか(本質理解)
ここを理解すると一気に安定します。
発音しやすさの問題
- city → citys(×)→ 読みにくい → cities(○)
- boy → boys(○)→ そのままで読める
「読みにくいと形が変わる」
この感覚を持てると、丸暗記から脱出できます。
第4章 -oで終わる名詞の完全整理
ここからは一段レベルを上げて、「-oで終わる名詞」の複数形を整理します。
このテーマはルールが分かれており、難関校では差がつくポイントです。
3つのパターンで整理する
① 子音+o → -es
- tomato → tomatoes
- potato → potatoes
- hero → heroes
☞ まずはこの3つは確実に暗記
② 母音+o → -s
- radio → radios
- video → videos
- studio → studios
☞ 母音のあとなら基本は-s
③ 例外的に-sになる語(外来語系)
- piano → pianos
- photo → photos
- kilo → kilos
☞「外来語っぽい単語は-s」と考えると整理しやすい
■ 入試での実戦的な考え方
-oはルールだけで完璧に処理するのは難しいです。
そのため、tomato / potato / hero は暗記
それ以外は「見たことある形」で判断
これが最も現実的で得点につながります。
第5章 f / fe で終わる名詞の複数形(ves と s のルール)
ここまでで、「-s」「-es」の基本ルールは押さえました。
次は、多くの人がつまずく 「f / fe で終わる名詞の複数形」を整理していきます。
このグループの特徴はシンプルです。
パターンはあるが、例外も多い
つまり、「完全な規則」ではなく、“半規則(準規則)”として扱うのがポイントです。
▼ f → ves
leaf → leaves /liːvz/
wolf → wolves /wʊlvz/
shelf → shelves /ʃelvz/
▼ fe → ves
knife → knives /naɪvz/
life → lives /laɪvz/
wife → wives /waɪvz/
次のように、そのまま -s をつける単語もあります。
▼ そのまま -s(f / fe でも ves にならない)
- roof → roofs /ruːfs/
- belief → beliefs /bɪliːfs/
- chief → chiefs /tʃiːfs/
- cliff → cliffs /klɪfs/
- proof → proofs /pruːfs/
- safe → safes /seɪfs/
- handkerchief → handkerchiefs /ˈhæŋkərtʃɪfs/
- golf → golfs /ɡɑːlfs/
第5章 不規則変化の名詞を押さえる(丸暗記ではなく“整理して覚える”)
ここまでで「-s / -es」「-y」「-o」といったルールは一通り整理できました。
しかし、英語にはルールに当てはまらない名詞も存在します。
それが「不規則変化」です。
難関高校入試では、こうした単語がそのまま出る・並べ替えに混ざる・英作文で使わせる形で出題されます。
ここは「なんとなく覚える」ではなく、パターンごとに整理して確実に得点源にすることが重要です。
1.完全に形が変わるタイプ(最重要)
まずは最頻出で、必ず押さえたいグループです。
形が大きく変わる名詞(最重要)
- child → children
- man → men
- woman → women
- foot(足) → feet
- tooth(歯) → teeth
母音が変わる or 語尾が変化するタイプ
2.単数と複数が同じ形(見落としやすい)
次に、見た目が変わらないタイプです。
単数形=複数形
- sheep(羊) → sheep
- deer (シカ)→ deer
- fish (魚)→ fish
文の中で判断する必要があるため、読解でも重要です。
3.外来語系(発展・難関校向け)
ここは難関校で差がつく可能性がある部分です。
- datum → data
- medium → media
- phenomenon → phenomena
ラテン語・ギリシャ語由来で形が変わる
※ただし中学レベルでは「見たことあるかどうか」で判断するのが現実的です。
ここまでで、「fishは単数も複数も同じ形」と説明しました。
- a fish
- two fish
これが中学英語・入試での正解です。
■ では「fishes」は間違いなのか?
実は、完全な間違いではありません。
たとえば、次のような文です。
- There are many fishes in this river.
(この川にはさまざまな種類の魚がいる)
この場合の「fishes」は、「種類の異なる魚たち」という意味で使われています。
つまり、
- fish → 数としての魚
- fishes → 種類としての魚
という違いです。
■ ただし中学生はどう考えるべきか
ここが一番大事です。
テストではfishで迷わないことが最優先
- two fish(○)
- two fishes(×と判断される可能性が高い)
入試レベルでは「fish=単複同形」で固定してOKです。
■ なぜこういうことが起こるのか
英語を学習していると、「正しいと習ったことを否定する例」に出会うことがあります。
たとえば、
「fishに-sはつけない」と習う
→ でも「fishes」という例を見る
また、
「人名には冠詞をつけない」と習う
→ でも
He is an Einstein.
(彼はアインシュタインのような天才だ)
のような表現も存在します。
■ 学習者が混乱しやすいポイント
このような例に出会うと、「結局どっちが正しいの?」と迷ってしまいます。
しかし、fishに関して、中学レベルの問題なら、“fish”一択で問題ありません。
■ 保護者の方へのアドバイス
もしお子さんが意欲的であれば、「英語は例外が多い言語である」ということを、早い段階で伝えておくのも有効です。
そうすることで、
- 例外に出会っても混乱しにくくなる
- 「英語は柔軟に考えるもの」という感覚が育つ
■ このコラムのまとめ
- fishは基本「単複同形」でOK
- fishesは特殊な意味(種類)で使われる
- 入試ではfishで迷わないことが重要
- 英語は例外も多い言語である
第6章 総まとめと確認問題(ここまでを得点につなげる)
ここまでで、名詞の複数形の主要ルールはすべて整理できました。
最後にもう一度、入試で使える形でまとめ直し、そのあとに確認問題で定着させていきましょう。
1.総まとめ(瞬時に判断するための整理)
複数形は、次の順番で考えるとミスが減ります。
① まず不規則変化を疑う
- child → children
- man → men など
② 次に語尾を見る
- s / x / sh / ch / z→ es
- 子音+y → ies
③ それ以外は基本的に-s
- book → books
④ 迷ったら発音をイメージ
読みにくい → 形が変わる
2.確認問題(基本〜標準)
次の名詞を複数形にしなさい。
問1 book
問2 bus
問3 box
問4 city
問5 boy
問6 dish
問7 watch
問8 child
問9 man
問10 leaf
3.解答と解説
問1
book → books
☞ 基本の-s
問2
bus → buses
☞ sで終わる → es
問3
box → boxes
☞ xで終わる → es
問4
city → cities
☞ 子音+y → ies
問5
boy → boys
☞ 母音+y → s
問6
dish → dishes
☞ shで終わる → es
問7
watch → watches
☞ chで終わる → es
問8
child → children
☞ 不規則変化
問9
man → men
☞ 母音変化
問10
leaf → leave
f → ves(発展・重要)
4.ワンランク上の確認問題(入試レベル)
次の( )に適切な形を入れなさい。
問11
There are many (child) in the park.
問12
I have three (box).
問13
She bought two (dress).
問14
We saw many (fish) in the river.
問15
He has some (city) maps.
5.解答
問11
children
問12
boxes
問13
dresses
問14
fish
☞ 単複同形
問15
cities
6.最後の一言(重要)
複数形は単純な暗記に見えますが、「ルールで処理できる部分」と「覚える部分」を分けることができると一気に安定します。
- ルール → s / es / y
- 暗記 → 不規則変化
この整理ができれば、複数形で失点することはほぼなくなります。

コメント