食塩水の問題の応用として、「混ぜるパターン」を学習していきます。
この分野は入試でもよく出題される頻出テーマであり、しっかり身につけておきたい重要な内容です。
前回の記事では、次の3つの基本パターンに絞ってトレーニングを行いました。
・濃度を求める
・食塩の量を求める
・食塩水の量を求める
前回の記事:
食塩水の濃度の基本|まずは公式と3パターンを完全マスター
これらの基本がしっかり身についていれば、混ぜる問題も本質的には同じ考え方で解くことができます。
ただし、「混ぜる」という操作が入ることで一気に難しく感じてしまい、小学校で十分に練習していない場合、中学生でも苦手なままになっていることが多い単元です。
そこで本記事では、混ぜる問題を次の3つのパターンに分けて整理していきます。
・食塩水と食塩水を混ぜる
・食塩水と水を混ぜる
・食塩水と食塩を混ぜる
それぞれの考え方を一つずつ丁寧に確認しながら、「どんな問題でも同じ手順で解ける状態」を目指していきましょう。
第1章 食塩水+食塩水の混合パターン
例えば、5%の食塩水と10%の食塩水を混ぜると、ちょうど中間の7.5%になると思ってしまいがちです。
しかし、実際には必ずしもそうなるとは限りません。
なぜなら、それぞれの食塩水の重さが異なるため、単純に平均をとることはできないからです。
では、どのように考えればよいのでしょうか。
混ぜる問題のポイントは、「5%」「10%」と別々に考えるのではなく、全体で考えることです。
つまり、
・全体の食塩の重さ
・全体の食塩水の重さ
この2つに注目し、
全体の濃度 = 全体の食塩の重さ ÷ 全体の食塩水の重さ ×100
に当てはめるだけです。
この考え方を押さえれば、混ぜる問題もこれまでと同じ手順で解くことができます。
食塩水+食塩水の混合パターン(通常タイプ)
次の例題で、具体的なイメージをつかんでいきましょう。
【例題】
5%の食塩水200gと、10%の食塩水300gを混ぜると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
まず、それぞれに含まれる食塩の量を求めます。
5%の食塩水200g
200 × 0.05 = 10g
10%の食塩水300g
300 × 0.10 = 30g
ここで、食塩の重さと食塩水の重さを表にまとめると、次のようになります。
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 5%の食塩水 | 200g | 10g |
| 10%の食塩水 | 300g | 30g |
| 合計 | 500g | 40g |
食塩は「10 + 30 = 40g」
食塩水は「200 + 300 = 500g」
混ぜたときの食塩水の濃度は次の公式に当てはめます。
濃度 = (全体の)食塩の重さ ÷ (全体の)食塩水の重さ ×100
40 ÷ 500 = 0.08
0.08 × 100 = 8%
答え:8%
例題の解き方は理解できたでしょうか。
食塩水どうしを混ぜる問題では、それぞれの食塩の重さを求めてから、全体の濃度を出すのが基本です。
ポイントは「食塩」と「食塩水」を分けて考えることです。
それでは、同じ考え方で次の問題にチャレンジしてみましょう。
問1
4%の食塩水300gと、8%の食塩水200gを混ぜると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
4%の食塩水300gにふくまれる食塩の重さ
300×0.04=12
8%の食塩水200gにふくまれる食塩の重さ
200×0.08=16
混ぜたあとの食塩の重さ
12+16=28
混ぜたあとの食塩水の重さ
300+200=500
濃度
28÷500=0.056
[答え]
5.6%
問2
6%の食塩水250gと、14%の食塩水250gを混ぜると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
6%の食塩水250gにふくまれる食塩の重さ
250×0.06=15
14%の食塩水250gにふくまれる食塩の重さ
250×0.14=35
混ぜたあとの食塩の重さ
15+35=50
混ぜたあとの食塩水の重さ
250+250=500
濃度
50÷500=0.1
[答え]
10%
問3
3%の食塩水400gと、9%の食塩水100gを混ぜると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
3%の食塩水400gにふくまれる食塩の重さ
400×0.03=12
9%の食塩水100gにふくまれる食塩の重さ
100×0.09=9
混ぜたあとの食塩の重さ
12+9=21
混ぜたあとの食塩水の重さ
400+100=500
濃度
21÷500=0.042
[答え]
4.2%
問4
8%の食塩水150gと、12%の食塩水350gを混ぜると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
8%の食塩水150gにふくまれる食塩の重さ
150×0.08=12
12%の食塩水350gにふくまれる食塩の重さ
350×0.12=42
混ぜたあとの食塩の重さ
12+42=54
混ぜたあとの食塩水の重さ
150+350=500
濃度
54÷500=0.108
[答え]
10.8%
問5
7%の食塩水200gと、13%の食塩水300gを混ぜると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
7%の食塩水200gにふくまれる食塩の重さ
200×0.07=14
13%の食塩水300gにふくまれる食塩の重さ
300×0.13=39
混ぜたあとの食塩の重さ
14+39=53
混ぜたあとの食塩水の重さ
200+300=500
濃度
53÷500=0.106
[答え]
10.6%
食塩水+食塩水の混合パターン(逆算タイプ)
ここでは、混ぜた後の濃度から、もとの濃度を求める「逆算タイプ」の問題を扱います。
一見すると難しく感じますが、やることはこれまでと同じです。
この流れを意識すれば、方程式を使わなくても解くことができます。
それでは、例題で具体的に確認していきましょう。
【例題】
5%の食塩水200gと、□%の食塩水300gを混ぜると、8%の食塩水になります。 □を求めなさい。
【解答】
全体の食塩の重さを求める
500 × 0.08 = 40g
200 × 0.05 = 10g
40 − 10 = 30g
もう一方の食塩水の重さは300g、
食塩の重さはSTEP3より30gと分かっています。
あとは、【濃度 = 食塩の重さ ÷ 食塩水の重さ】に当てはめるだけです。
30 ÷ 300 = 0.1
0.1 × 100 = 10
答え:10%
第2章 比を使った解き方(発展)
第1章の応用問題を扱います。
ここで紹介する方法は中学受験レベルの内容になるため、受験をしない場合は無理に理解する必要はありません。
ただし、中学生にとっても「検算」として使える便利な考え方なので、余裕があればぜひ確認しておきましょう。
ここでは、第1章で扱った問題を少し変えた例題を使って説明します。
【例題】
5%の食塩水200gと、10%の食塩水を混ぜると、8%の食塩水になりました。
10%の食塩水は何g混ぜましたか。
【解答】
[解き方]
この問題は、第1章と違い、全体の食塩水の重さが分かっていません。
そこで、
・5%の食塩水(A)
・10%の食塩水(B)
を混ぜて、中間の8%になったと考えます。
次に、それぞれの濃度と8%との差を求めます。
・A(5%)との差 8 − 5 = 3%
・B(10%)との差 10 − 8 = 2%
このとき、
Aの濃さ:Bの濃さ = 3:2
となります。
しかし、ここで注意が必要です。
重さの比は、この逆になります。
つまり、
Aの重さ:Bの重さ = 2:3
5%の食塩水は200gなので、
200:□ = 2:3
これを解くと、
□ = 300
[答え]
300g
ここまでの例題で、比を使った解き方の流れはつかめたでしょうか。
この方法では、
という2つがポイントになります。
最初は少し不思議に感じるかもしれませんが、同じ手順で処理できるようになると、計算が一気にシンプルになります。
次は、同じ考え方を使って練習問題に取り組んでみましょう。
問1
5%の食塩水300gと、15%の食塩水を混ぜると、9%の食塩水になりました。15%の食塩水は何g混ぜましたか。
【解答】
[解き方]
5%と9%の差 → 4
15%と9%の差 → 6
したがって、
5%の食塩水:15%の食塩水 = 4:6 = 2:3
重さの比は逆になるので、
300:□ = 3:2
□ = 200
[答え]
200g
問2
6%の食塩水200gと15%の食塩水を混ぜると、9%の食塩水になりました。
15%の食塩水は何g混ぜましたか。
【解答】
[解き方]
6%と9%の差 → 3
15%と9%の差 → 6
したがって、
6%の食塩水:15%の食塩水 = 3:6 = 1:2
重さの比は逆になるので、
200:□ = 2:1
□ = 100
[答え]
100g
問3
3%の食塩水400gと9%の食塩水を混ぜると、6%の食塩水になりました。
9%の食塩水は何g混ぜましたか。
【解答】
[解き方]
3%と6%の差 → 3
9%と6%の差 → 3
したがって、
3%の食塩水:9%の食塩水 = 3:3 = 1:1
重さの比は逆になるので、
400:□ = 1:1
□ = 400
[答え]
400g
今回の問題の中でも、問3に注目してみましょう。
濃度の差がどちらも同じになる場合、比は1:1になります。
このとき、重さの比も1:1になるため、一方の食塩水の重さと、もう一方の食塩水の重さは同じになります。
したがって、計算をしなくても400gと分かります。
このように、算数ができる人は、単に問題を解くだけでなく、「どんなときに簡単になるか」に気づくことができます。
こうした気づきを大切にしながら、問題に取り組んでいきましょう。
第3章 食塩水+食塩の混合パターン
次は、食塩水同士を混ぜるのではなく、食塩水に食塩を加えるパターンです。
食塩水と食塩を「混ぜる」と聞くと難しく感じますが、基本の考え方は第1章とまったく同じです。
ただし、このパターンでは大事なポイントが1つあります。
食塩は「100%の食塩水」と考えるということです。
例えば、食塩10gはすべてが食塩なので、濃度でいえば100%です。
したがって、食塩水と食塩を混ぜる問題も、
・食塩の量を足す
・食塩水の量を足す
という同じ手順で処理できます。
最終的には、
全体の濃度 = 全体の食塩の重さ ÷ 全体の食塩水の重さ ×100
に当てはめるだけです。
第1章との違いは、「100%が混ざる」という点だけなので、ここをしっかり意識して取り組みましょう。
【例題】
5%の食塩水200gに、食塩50gを加えると何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
まず、それぞれの食塩の量を求めます。
5%の食塩水200g
200 × 0.05 = 10g
食塩50g
すべて食塩なので50g
これを表にまとめると、次のようになります。
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 5%の食塩水 | 200g | 10g |
| 食塩 | 50g | 50g |
| 合計 | 250g | 60g |
食塩の合計は、
10 + 50 = 60g
食塩水の合計は、
200 + 50 = 250g
混ぜたときの食塩水の濃度は次の公式に当てはめます。
濃度 = (全体の)食塩の重さ ÷ (全体の)食塩水の重さ ×100
60 ÷ 250 = 0.24
0.24 × 100 = 24%
[答え]
24%
ここまでの例題で、「混ぜるときの基本の流れ」はつかめたでしょうか。
大切なのは、
・食塩の量を足す
・食塩水の量を足す
この2つだけです。
そして、最後に
濃度 = 全体の食塩の量 ÷ 全体の食塩水の量
に当てはめるだけで、すべての問題が解けます。
特にこの章では、食塩は100%としてそのまま足すという点をしっかり意識しておきましょう。
それでは、同じ考え方を使って練習問題に取り組んでみましょう。
問1
8%の食塩水240gに、食塩60gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
まず、それぞれの食塩の量を求めます。
240 × 0.08 = 19.2g
食塩60g
表にまとめると、
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 8%の食塩水 | 240g | 19.2g |
| 食塩 | 60g | 60g |
| 合計 | 300g | 79.2g |
79.2 ÷ 300 = 0.264
0.264 × 100 = 26.4%
[答え]
26.4%
問2
10%の食塩水480gに、食塩20gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
480 × 0.10 = 48g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 10%の食塩水 | 480g | 48g |
| 食塩 | 20g | 20g |
| 合計 | 500g | 68g |
68 ÷ 500 = 0.136
[答え]
13.6%
問3
5%の食塩水300gに、食塩75gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
300 × 0.05 = 15g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 5%の食塩水 | 300g | 15g |
| 食塩 | 75g | 75g |
| 合計 | 375g | 90g |
90 ÷ 375 = 0.24
[答え]
24%
問4
4%の食塩水250gに、食塩50gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
250 × 0.04 = 10g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 4%の食塩水 | 250g | 10g |
| 食塩 | 50g | 50g |
| 合計 | 300g | 60g |
60 ÷ 300 = 0.2
[答え]
20%
問5
20%の食塩水200gに、食塩50gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
200 × 0.20 = 40g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 20%の食塩水 | 200g | 40g |
| 食塩 | 50g | 50g |
| 合計 | 250g | 90g |
90 ÷ 250 = 0.36
[答え]
36%
第4章 食塩水+水の混合パターン
食塩水に水を加える問題も、第1章・第2章と同じ考え方で解くことができます。
このパターンのポイントは1つだけです。
水は「0%の食塩水」と考える
水には食塩が含まれていないので、濃度は0%です。
したがって、この問題も、
・食塩の量を足す
・食塩水の量を足す
という同じ手順で処理できます。
最後は、
全体の濃度 = 全体の食塩の重さ ÷ 全体の食塩水の重さ ×100
に当てはめるだけです。
第2章が「100%」、この章が「0%」という違いだけなので、同じ型で解けることを意識しましょう。
【例題】
5%の食塩水200gに、水50gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
まず、それぞれの食塩の量を求めます。
5%の食塩水200g
200 × 0.05 = 10g
水50g
→ 食塩は含まれていないので0g
これを表にまとめると、次のようになります。
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 5%の食塩水 | 200g | 10g |
| 水 | 50g | 0g |
| 合計 | 250g | 10g |
食塩の合計は、
10 + 0 = 10g
食塩水の合計は、
200 + 50 = 250g
混ぜたときの食塩水の濃度は次の公式に当てはめます。
濃度 = (全体の)食塩の重さ ÷ (全体の)食塩水の重さ ×100
10 ÷ 250 = 0.04
0.04 × 100 = 4
[答え]
4%
ここまでの例題で、「水を加えるときの考え方」はつかめたでしょうか。
ポイントはとてもシンプルで、
・水は0%として考える
・食塩の量と食塩水の量をそれぞれ足す
この2つだけです。
あとは、
濃度 = 食塩の量 ÷ 食塩水の量
に当てはめるだけで、すべての問題が解けます。
第1章・第2章と同じ型で解けることを意識しながら、次の練習問題に取り組んでみましょう。
問1
5%の食塩水300gに、水100gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
300 × 0.05 = 15g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 5%の食塩水 | 300g | 15g |
| 水 | 100g | 0g |
| 合計 | 400g | 15g |
15 ÷ 400 = 0.0375
[答え]
3.75%
問2
8%の食塩水200gに、水200gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
200 × 0.08 = 16g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 8%の食塩水 | 200g | 16g |
| 水 | 200g | 0g |
| 合計 | 400g | 16g |
16 ÷ 400 = 0.04
[答え]
4%
問3
10%の食塩水150gに、水50gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
150 × 0.10 = 15g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 10%の食塩水 | 150g | 15g |
| 水 | 50g | 0g |
| 合計 | 200g | 15g |
15 ÷ 200 = 0.075
[答え]
7.5%
問4
6%の食塩水250gに、水250gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
250 × 0.06 = 15g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 6%の食塩水 | 250g | 15g |
| 水 | 250g | 0g |
| 合計 | 500g | 15g |
15 ÷ 500 = 0.03
[答え]
3%
問5
4%の食塩水500gに、水500gを加えると、何%の食塩水になりますか。
【解答】
[式]
500 × 0.04 = 20g
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ | |
|---|---|---|
| 4%の食塩水 | 500g | 20g |
| 水 | 500g | 0g |
| 合計 | 1000g | 20g |
20 ÷ 1000 = 0.02
[答え]
2%
まとめ|混ぜる問題は「全体で考える」だけ
食塩水の混ぜる問題は、一見すると難しく感じますが、実際にはこれまで学習してきた基本の考え方をそのまま使うだけです。
大切なのは、「部分」で考えるのではなく「全体」で考えることです。
・全体の食塩の重さ
・全体の食塩水の重さ
この2つに注目し、
濃度 = 食塩の重さ ÷ 食塩水の重さ
に当てはめるだけで、すべての問題が解けます。
また、今回扱った3つのパターンも、それぞれ別の問題として覚える必要はありません。
・食塩水+食塩水 → そのまま足す
・食塩水+食塩 → 食塩は100%として足す
・食塩水+水 → 水は0%として足す
このように整理すると、すべて同じ型で処理できることが分かります。
混ぜる問題が苦手な場合は、まずは表を書いて整理することを意識しましょう。
食塩の重さと食塩水の重さの2つを正しく書ければ、答えは必ず出せるようになります。
今回の内容をしっかり身につけて、「どんな混ぜる問題でも同じ手順で解ける状態」を目指していきましょう。

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