売買算の基本では、「利益=売値−仕入れ値」という関係をもとに、売値や利益を求める問題に取り組んできました。
前回の記事で、「仕入れ値 → 定価(見込み) → 割引 → 売値 → 利益」という一連の流れの中で、最終的な利益を求める問題という基本問題を扱いました。
前回の記事:
割合の売買問題の解き方|利益・原価・定価・売り値をわかりやすく解説
今回この記事では、次のような発展パターンを整理していきます。
・仕入れ値が□のパターン
・見込みの利益が□のパターン
・割引きが□のパターン
すべて、次の基本問題をもとに解説していきます。
「仕入れ値6000円のサッカーボールに25%の利益を見込んで定価をつけたが、10%引きで売った結果、利益は750円だった」
この1つの問題をベースに、“どこを求めるか”を変えるだけで解き方がどう変わるのかを確認していきましょう。
前回の記事では、この問題でいちばん基本となる「利益750円を求めるパターン」を解説しましたが、そこから逆算の考え方へと広げていきます。
同じ売買算でも、求めるものが変わるだけで一気に難しくなります。
ここまで理解できれば、売買算は「流れを整理する問題」としてスムーズに解けるようになります。
第1章 仕入れ値が□のパターン
売買算では、仕入れ値が分かっている問題が基本ですが、入試では逆に仕入れ値を求める問題も頻出です。
一見すると難しく感じますが、やることは同じです。
「定価 → 割引 → 売値 → 利益」という流れを整理し、式に直していくだけです。
ここでは、前章の問題をもとに、仕入れ値が分からない場合の考え方を確認していきましょう。
【例題】
あるサッカーボールは、仕入れ値に対して25%の利益を見込んで定価をつけました。
しかし、売れなかったため定価の10%引きで販売したところ、利益は750円でした。
このとき、仕入れ値はいくらですか。
【解答】
[解き方]
仕入れ値を □円とする
□×1.25
□×1.25×0.9=□×1.125
□×1.125−□
□×1.125−□=750
□×1.125−□=750
□×1.125−□×1=750
0.125×□=750
□=750÷0.125
□=6000
[答え]
6000円
【ポイント】
この問題のポイントは、「流れをそのまま式にすること」です。
仕入れ値 → 定価(25%増) → 売値(10%引き) → 利益
この流れをそのまま「×1.25 → ×0.9」とつなげることで、売値を表すことができます。
そして最後に、
「利益=売値−仕入れ値」
を使えば、方程式が完成します。
売買算はバラバラに考えると難しく見えますが、流れを一本につなげることができれば、一気にシンプルになります。
第2章 見込みの利益が□のパターン
ここまでは、見込みの利益(何%増し)が分かっている問題を扱ってきました。
しかし入試では、「実際の利益は分かっているが、見込みの利益は分からない」という逆のパターンもよく出題されます。
この場合も考え方は同じです。
「仕入れ値 → 定価 → 割引 → 売値 → 利益」という流れを整理し、見込みの割合を□として式を立てていきます。
ポイントは、見込みの利益=定価を作るときの割合であることを意識することです。
では、実際に例題で確認していきましょう。
【例題】
仕入れ値6000円のサッカーボールに、□%の利益を見込んで定価をつけました。
しかし、売れなかったため定価の10%引きで販売したところ、利益は750円でした。
このとき、見込みの利益は何%ですか。
【解答】
[解き方]
見込みの利益を □ とする(割合は小数で考える)
6000 ×(1+□)
6000 ×(1+□)× 0.9
6000 ×(1+□)× 0.9 − 6000 = 5400 ×(1+□)
5400 ×(1+□)−6000 = 750
☞ 「売値−仕入れ値=利益」で、実際の利益750円と結びつける
[計算]
5400 ×(1+□)= 6750
(1+□)=6750÷5400
(1+□)=1.25
□=1.25−1
□=0.25
[答え]
25%
【ポイント】
この問題のポイントは、「□を割合として扱うこと」です。
□%と書かれていても、そのままでは計算できないので、小数(0.25など)にして考えることが重要です。
また、考え方はこれまでと同じで、
仕入れ値 → 定価 → 売値 → 利益
という流れをそのまま式にしていきます。
特に、(1+□)×0.9=最終的な倍率という形にできると、スムーズに解くことができます。
売買算では、「どの段階の割合なのか」を意識することが大切です。
第3章 割引きが□のパターン
これまでは、見込みの利益や仕入れ値を求める問題を扱ってきましたが、入試では「割引率」が分からない問題もよく出題されます。
つまり、「どれくらい値引きしたのか」を逆算するパターンです。
この場合も考え方は同じで、
仕入れ値 → 定価 → 売値 → 利益
という流れを整理し、割引きの部分を□として式にしていきます。
ポイントは、割引きは“残る割合(1−□)”で考えることです。
10%引きなら0.9倍になるように、□%引きなら「(1−□)」倍になると考えます。
では、この考え方を例題で確認していきましょう。
【例題】
仕入れ値6000円のサッカーボールに、25%の利益を見込んで定価をつけました。
しかし、なかなか売れなかったため、定価から□%引きで販売したところ、利益は750円でした。
このとき、割引きは何%ですか。
【解答】
[解き方]
割引きを □ とする(割合は小数で考える)
6000 × 1.25
売値:6000 × 1.25 ×(1−□)
6000 × 1.25 ×(1−□) − 6000
6000 × 1.25 ×(1−□) − 6000 = 750
☞ 「売値−仕入れ値=利益」で、実際の利益750円と結びつける
6000 × 1.25 ×(1−□) − 6000 = 750
7500 ×(1−□) − 6000 = 750
7500 ×(1−□) = 6750
1−□ = 6750÷7500
1−□ = 0.9
□=1−0.9
□=0.1
[答え]
10%
【ポイント】
この問題のポイントは、「割引きは引く割合で考えること」です。
□%引きは、そのままではなく、(1−□)倍になると考えます。
たとえば、10%引きなら0.9倍になるのと同じです。
また、今回も
仕入れ値 → 定価 → 売値 → 利益
という流れをそのまま式にすることが重要です。
売買算では、「足すのか、引くのか」をしっかり区別することで、ミスを防ぐことができます。
特に、
増える →(1+□)
減る →(1−□)
この使い分けを意識しましょう。
最終章 売買問題のよくあるミスまとめ
売買算は、流れを理解できればシンプルな単元ですが、ちょっとした思い違いで大きく間違えることが非常に多い分野でもあります。
ここでは、小学生が特につまずきやすいポイントを整理しておきましょう。
1.「見込みの利益」と「実際の利益」を同じと考えてしまう
見込みは「定価を決めるとき」、実際は「売ったあとの結果」です。
この2つは別物として考える必要があります。
2.□%をそのまま使ってしまう
□%はそのままでは計算できません。
必ず「0.25」などの小数に直してから式を立てましょう。
3.割引きを「×□」としてしまう
□%引きは「□をかける」のではなく、(1−□)倍と考えます。ここは最頻出のミスです。
4.利益=売値−定価としてしまう
正しくは利益=売値−仕入れ値です。定価はあくまで途中の値です。
5.流れを分けて考えてしまう
「定価だけ」「売値だけ」とバラバラに考えると混乱します。
必ず、
仕入れ値 → 定価 → 売値 → 利益
という流れを一本でつなげて考えましょう。
6.増えるのか減るのかを混同する
増えるときは(1+□)
減るときは(1−□)
この区別ができていないと、計算は合いません。
売買問題は、難しい計算をする単元ではありません。大切なのは、状況を整理して正しく式にする力です。
今回の内容をしっかり理解できれば、高校受験レベルの売買算でも十分対応できます。
あとは、同じパターンを繰り返し解いて、速く正確に処理できる力を身につけていきましょう。

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